百万人都市・仙台で楽天イーグルスが達成「観客150万人超え」、ポイントは「直接触れあう機会」
プロ野球・楽天イーグルスの今季観客動員数は、前年比約21%増の164万2371人に達した。昨年8月の就任以降、コロナ禍で落ち込んだ観客数の回復を最重要課題として取り組んできた森井誠之球団社長が読売新聞のインタビューに応じ、今季の取り組みの成果や今後の展望について語った。(聞き手・西口大地) 【写真】楽天の選手、白衣のシェフ姿で仙台駅ビルのレストランに登場
――観客動員数がコロナ禍前の水準(2019年=182万1785人)に大きく近づいた。その評価は。
「常に観客が2万人を超える球場を選手にお渡しすることがチームの後押しになるという意識を持って、オフから準備を進めてきた。スタートダッシュが大事なので、毎年一番動員が苦しい4月から5月にかけて平日にデーゲームを組み、小学生の職場体験と試合観戦を授業の一環として一緒に行うなど、職員たちが色んな取り組みを頑張ってくれた結果が160万人動員につながった」
――選手や監督らがレッドカーペットを歩いて球場入りしたり、試合後にお見送りハイタッチを行ったりと、観客と触れあうイベントが今季は一段と増えた。
「100万人都市の仙台市が本拠地の球団が150万人を超える動員を目指すには、いかにリピーターを増やせるかが大事。その点で、選手と直接触れあう機会は、どんな企画よりも影響が大きい。昨年中から選手が職員と対話する場面を増やし、職員がどんな仕事をしているかを知ってもらうことで、提案を快く引き受けてもらえる環境を作れたのがすごく大きかった」
――球団20周年の節目となった今季は、東北全県での試合開催(岩手は雨天中止)にも取り組んだ。
「近年はコロナ禍で宮城以外の各県での開催がかなり減っていたので、『毎年やってほしい』との声を多くいただいた。開催準備を含めて自治体とのコミュニケーションも増え、逆に仙台の試合に来てPRしてもらう機会も増えた。我々がハブになり、もっと東北全体を盛り上げていきたい」
――今季は球団初の交流戦優勝を達成。日本一に輝いた2013年以来の「優勝」に地元も盛り上がった。