森三中・大島美幸さん2度目の妊活 「男はいいよな」と言ったことも 夫・鈴木おさむさんとの〝ズレ〟は
男性パートナーと足並みを揃える大変さ
――不妊治療はどういったものをされたんですか? まずは人工授精で、運良く2回目ぐらいで妊娠したんです。横浜に面白い医師がいて、「人工授精って言うけど、受精は自分の力だからね。人工ではないんだよ」って言ってくださったのが印象的で、すごく好きな先生でした。 ――不妊治療って週に何回ぐらい通院されるんですか?注射などをしなくてはいけないから、たくさん通わなきゃいけないとは聞いたことがあります。 人工授精は薬もそんなにありませんでしたが、体外受精、顕微授精は、仕事をがっつり入れていたら難しいです。 生理が来たら病院に行くことが多いので、このあたりに生理かなと予想して仕事を入れています。予定が被ったら「申し訳ないですけど、妊活のため…」とマネージャーさんに仕事を調整してもらっています。 2度目の不妊治療である今は、顕微授精という高度な治療をしています。「20時になったら自己注射」のように、注射や投薬の時間が全部決まっているんです。 そしてやっと採卵して受精卵ができても「残念でした」と言われてしまう。 やっぱり「頑張ったのに」という思いが、一番しんどいです。お金と労力をかけて、仕事も断って集中したことがぶわーっと思い出されて。子どもがほしいという確固たる決意がないと負けてしまいます。 ――夫の鈴木おさむさんも同じように感じているのでしょうか? 難しいところで、通院したり、注射したりするのは女性じゃないですか。だから熱量が違う気がします。 申し訳ないけど、何度か「男はいいよな」って言っちゃったことはあります。「交互に妊娠とかできたらいいのに」とか「私も(男性みたいに)採卵前に1回来ればってならないかな」とか「私ばっかり週1で病院って予定が書いてある」とか思っちゃいます。 妊活中、旦那が1回だとしたら、私は4回は通院しないと行けない。私は極力少なくしているので、もっと通院している方もいらっしゃると思います。 ――最初の妊娠・出産の時はどうだったのでしょうか? 2015年に息子を授かったときは、「社長に報告する秘書」という心持ちでバランスを取って妊活していました。 初めて「妊活したい」って言ったとき、夫から「俺の生活は一切変えないから」って言われたのが、私は忘れられなくて…未だに言ってます。でも、こういうパートナーさんは多いとも思うんですよ。 もちろん夫とは対等ですが、気持ちの上では〝いるだけの社長〟が夫で、〝実質的に会社を動かしている秘書〟が私で。どうしても治療は私の手にかかっているから「報・連・相」はしっかりして、私はこの考え方が一番楽でした。 ――「俺の生活は一切変えない」という言葉…ショックですね。 腹が立ちましたよ(笑)。私はこれからバランスの良い食事を作って、旦那にも食べてほしいと思っている。でも、今までと変わりなく生活するということは、朝まで帰ってこない、酒ガブガブ飲むとか、そういうことをやるってことでしょ。私は180度変えるつもりなのに、それはないだろうって。 だから「私ばっかり、通院する、手術もする、甲状腺の病院にも行く。なのに、あなたのそれは妊活なの?子どもがほしいという思いは一緒じゃなきゃいけなくない?」って言いました。 夫も自分の体を調べたら、運動率、奇形率とかがあんまり良くなくて、それから変わりました。男性も「自分を知ること」っていうのはとても大事だなと思います。 当時は、「妊娠しづらいのは女性のせい」という考え方も根強く残っていましたが、不妊の原因は50、50です。 私の家族はたまたまこういう形でしたが、パートナーで未だに「俺は検査しなくていいよ」って方は多いのかもしれません。