利用進まず、理解も進んでいない…MM総研調査で示された「日本版ライドシェア」の実態
ライドシェアの認知度は高まりつつあるものの、利用率は低く、「日本型ライドシェア」の中身に関する理解も進んでいない―。MM総研(東京都港区、関口和一所長)の調査で、こうした実態が示された。ライドシェアの普及に向けては、利点の啓発や消費者の抱える不安の解消がカギを握りそうだ。 【グラフ】日本版ライドシェアのデメリット MM総研が行ったモビリティサービスに関する調査の結果では、ライドシェアの認知率が前年比19・8ポイント増の31・4%になった。タクシー会社が自家用車と一般ドライバーの運行管理を行い有償運送する日本型ライドシェアが4月に始まったことが寄与した。 一方でライドシェアの利用率は同0・2ポイント増の1・4%にとどまった。「利用したことはないが利用してみたい」との意向を持つ人は同1・8ポイント増の4・7%だった。サービスの存在を認知していても利用率の向上には必ずしもつながっていないのが実態とみられる。 MM総研が別途行った調査によると、日本型ライドシェアの利用意向も低い。「利用したい」と回答した人は18・3%にとどまった。日本型ライドシェアのメリットを聞いたところ、「タクシーと比べて料金が抑えられる」が21・5%で最も多かった。「現在の運用上はタクシーと同額であるため、正しい理解が広まっていないことが分かる」(MM総研)。 デメリットについては「犯罪などに巻き込まれる可能性がある」が31・1%、「トラブル発生時の対応方針が不安」が28・5%などとなった。利用率向上のためには、こうした懸念の払拭が求められそうだ。 モビリティサービスに関する調査は、6月7―11日にウェブアンケートで実施。東京都、愛知県、大阪府、京都府、福岡県に住む15―79歳の男女4万5037人を対象とした。日本版ライドシェアについての調査は6月28―30日、全国15―79歳の男女1000人を対象にウェブアンケートで行った。