2日夜 国際宇宙ステーションISS「きぼう」を見られるチャンス 各地の天気は?
今日2日の夜は広い範囲で国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」が見られるチャンスです。今夜は西~東日本を中心に晴れる所が多く、観察日和となりそうです。特に東北~近畿では見やすい角度となるでしょう。
国際宇宙ステーションISSが見られる時間と方角は?
国際宇宙ステーション(ISS)は、地上から約400km上空に建設された実験施設で、「きぼう」とは、その中の日本実験棟の名前です。ISSはサッカー場くらいの大きさで、1周およそ90分というスピードで、地球の周りを回っていて、条件が揃えば地上から肉眼で見ることができます。 今日2日の夜は沖縄を除く各地で「きぼう」が見られるチャンスがあり、特に東北~近畿は見やすい角度となりそうです。見え始める時刻は各地とも18:04で、見え始めから見え終わりまでは3~4分くらいです。 最大仰角(最接近)時の方角は、北日本は南西、関東はほぼ南、北陸はほぼ北、近畿などでは北東になります。 明るい星のような光が、飛行機よりも速めのスピードで、流れて行くように見えます。望遠鏡などを使うと、視野が限定されてしまい、見逃す可能性がありますので、肉眼で探すと良いでしょう。
今日2日夜は広く晴れ 仕事帰りに空を見上げてみて
今日2日夜の天気は、九州~東北南部にかけては晴れる所がほとんどで、観察日和となるでしょう。東北北部や北海道は雲が多くなるので、あいにくの天気となりそうです。 北陸や関東の真上を通るので、観測条件が非常に良いです。周囲に多少建物があったとしても比較的暗い場所であれば、見られるかもしれません。中国、四国、九州では比較的低い(地平線に近い)場所を通過するため、周囲に建物がなく、開けた場所がおすすめです。 昨日1日が新月なので、月明りは気にしなくてよさそうです。見られる時間が18時過ぎなので、仕事帰りに空を見上げてみてはいかがでしょうか。
国際宇宙ステーション(ISS)が見られる条件
国際宇宙ステーション(ISS)が地上から見られる条件は以下の3つです。 ①晴れていること ISSは雲より高い宇宙空間を飛んでいるので、曇っていると地上からは見えません。 ②自分の上空をISSが通過すること ISSは同じ軌道を回っていますが、地球が自転によって回転しているため、ISSが通過する位置は変化しています。自分の上空付近をISSが通過するタイミングで見ることができます。 ③自分のいる場所は夜で、ISSが昼であること ISSは自分で光っているわけではなく、太陽の光を反射して明るく輝きます。ISSが地上から見えるためには、ISSには太陽の光が当たっており、地上は夜となっていなければいけません。上の図のように、ISSは地上400km上空にあるため、地上の日が落ちてからしばらくの間は太陽に照らされています。同様に、地上の日の出よりも先に上空の ISS には太陽の光が当たります。日の出前や日の入り後の約 2 時間は、地上は夜ですが400km上空はまだ昼の状態で、この時間帯に ISSが自分の上空付近を通過した時にISSを見ることができます。 今日2日は、この3つの条件が揃う所が多くなりそうです。
日本気象協会 本社 木村 雅洋