コイにお神酒飲ませ厄託す 砺波市庄川町金屋地区(富山)で伝統行事
富山県砺波市庄川町金屋地区の伝統行事「厄払い鯉(こい)の放流」が3日、同所の庄川水記念公園で行われ、厄年の男女が厄を託したコイにお神酒を飲ませて庄川に放流し、一年の無事を祈った。地区の人口減少に伴って厄年の人も減っており、今年から開催日を例年の7日から3日に変更。帰省に合わせて参加しやすくした。 行事は、1816(文化13)年に行われた金屋神明宮の厄よけ祈願祭で、神前に供えたコイが神事の後も生きていたことから、その生命力にあやかろうと酒を注いで放流したことが起源とされる。 日程はこれまで曜日を問わず1月7日に行うのが慣例だった。庄川峡観光協同組合によると、かつて年によっては数十人が参加していたが、近年は減少傾向にあり、10人に満たないこともあった。同神明宮と同組合が開催日を3日とし、市外で就職したり、結婚したりした人が正月に帰省した際に参加できるようにした。 今年は同神明宮の氏子で数え年25歳の男性1人と、同33歳の女性4人が紋付き袴(はかま)や晴れ着姿で参加。男性がつかんだコイの口に、女性がお神酒を注いでから放った。南砺市城端の会社員、夏梅遥南(はるな)さん(31)は「今後も地元の伝統行事が続いていけばいい」と話した。
同組合の川崎和夫副理事長(73)は「参加してくれる人がいる限り続けていきたい」と力を込めた。