侍Jの1次ラウンド3連勝の裏に早撃ち殺法
稲葉打撃コーチは、「打球方向やカウントなど、そこまで細かい指示はしていない。これだけのメンバーが揃っているので、そこは一人ひとりの判断に任せているが、ひとつだけ言っていることは、後悔するような打席だけはしないでくれということ。こういう試合では手が出なくなってしまうケースが多い。後悔せずにバットを振ってくれという話をしている。打ちにいく姿勢をみて、そこから止めればいい」という話をしていた。 「まず振る」 日の丸を背負い、負けられないというプレッシャーを振り払うには気持ちを形に変えるしかない。 WBCの第一回優勝メンバーで、評論家の里崎智也氏も、「早仕掛けが結果につながっているということは、初球からバッターがタイミングが取れているということ。たとえば、筒香にしても、豪州戦の初回二死二、三塁でカウント3-0から慎重になりすぎて、打ちにいっていなかった。 日本では、一塁が空いてて3-0のカウントで筒香なら歩かせるが、国際試合では、相手はそこまでの駆け引きをしてこない。筒香は、この打席は三振に終わったが、8回のホームランの打席では、意識が変わっていた。積極策も結果が出なければ雑といわれるのかもしれないが、3試合を見る限り、打線に関する不安を払拭した結果が出ている」と、本番で豹変した打線の背景にあるものを評価していた。 この日の試合前、稲葉打撃コーチは、「いい形で来ていて何も言うことはない。ただバッティングというのは、ちょっとしたことで崩れるもの」と警戒していたが、乗っている正捕手の小林(巨人)にまで一発が飛び出して、チームは着実に得点を重ねた。 第2次ラウンドの初戦となる12日のオランダ戦は、ソフトバンクのバンデンハークが先発予定である。しかも、内野をバリバリのメジャーリーガーで固めてパワーアップしたチーム。 小久保監督は「点を取らないと勝てない」と言った。