「勝ちを諦めているんじゃないか」憧れ抱き競輪界に飛び込んだ高木佑真がデビュー後に味わった葛藤 / アニメ『リンカイ!』コラボインタビュー
リンカイ!コラボインタビューvol.1
アニメ『リンカイ!』に出演する声優の日向未南が、アニメに登場するキャラクターと境遇が似ている方へインタビューするコラボ企画。第1弾は116期の高木佑真選手。才能溢れる同期たちと切磋琢磨し、在所成績6位で卒業。デビュー後1年半ごろからスランプに陥るも、ガールズグランプリ女王・高木真備さんの師匠でもある高木隆弘氏に師事して……。競輪選手を目指そうと思ったきっかけから、養成所での生活、スランプを抜け出せない苦しみなど、様々な心境を伺いました。(企画・構成:netkeirin編集部 聞き手:日向未南 撮影:飯岡拓也) ーー学生時代はバスケやサッカーに打ち込んでいた高木選手が競輪選手を目指したきっかけを教えてください。 高校3年生の夏休みぐらいまで進路が決まっていなくて。そんなとき競輪記者をしている父の職場の社長の息子さんから「ガールズケイリン興味ない?」と声をかけられました。両親がロードレーサーにハマっていて、わたしも一緒にクロスバイクに乗っているという話の流れだったと思います。 そこで初めてガールズケイリンの存在を知りました。レースの動画を見てかっこいい! と思い、平塚競輪場へ行きました。観客席とバンクの距離が近くて、すごい迫力で圧巻されて。先頭で風を切って勝った奥井迪選手に「自分の力だけでこんなスピードが出せるんだ」と感動し、私もやってみたいと思いました。 元々大好きなスポーツに関わる仕事がしたいと思っていたんですが、それだけでご飯を食べていけるのは、一握りの上位選手だけの印象です。でも、ガールズケイリンならできると教えてもらって。競技だけでご飯を食べていけるというのはすごく魅力的で、大きな決め手になりました。 私がガールズケイリンをやりたいと思った時には、その年の願書の締切は過ぎていて。面倒を見ていただいた方の勧めもあり、残りの高校生活をエンジョイして、卒業後から本格的に練習を始めることにしました。高校を卒業した3月から9月の試験まで半年間、自転車漬けの毎日でした。 ーー自転車漬けの日々を送り、その年の試験で合格して養成所に入学しました。試験に向けた練習と養成所生活と、どちらがしんどかったですか。 養成所に入るまでは、試験の合格ラインまで単純にタイムを縮めればよかったんです。タイムが縮んでいれば、練習の成果を実感できました。でも、養成所には同期がいて、競走で負けたくないという気持ちが湧いてくる。競走になると、走り方次第では大差になっちゃったりするので。タイムが良いからといって勝てるわけじゃないし、悔しさを練習にぶつけてもなかなか結果も出ず……競走は自分の実力がそのまま結果に反映されるわけじゃないっていうのがしんどかったですね。