『極悪女王』ダンプ松本はリング外もヒールを徹底 元東スポの柴田惣一がリングネームの秘話を語った
【柴田が避け続けたダンプ松本の竹刀】 ――あの頃、ダンプさんが新車を購入したら、すぐに10円玉でボディに傷をつけられたという話も聞きます。 柴田:古い話だけど、ラッシャー木村さんも、アニマル浜口さんや寺西勇さんと「国際軍団」としてアントニオ猪木さんと戦っていた頃は、家に生卵が投げつけられたり、ガラスが割られたり、車に傷をつけられたり......。飼い犬がストレスで体の毛が抜けて、最後には亡くなっちゃったことも。そういう時代でしたね。 ――当時、タイガーマスクのライバルだった小林邦昭さんは、送られてきた手紙の中にカミソリが入っていて手をザックリ切ったとか。以前に小林さんは、それが送られてきた時に「俺は本当にレスラーになった。ちゃんとタイガーマスクのライバルになれたと思った」と話していました。 柴田:"虎ハンター"として大暴れしていた時ですね。でも小林さんと佐山聡さんは、本当はものすごく仲がいいんです。小林さんは料理上手だけど酒が飲めなくて、佐山さんもそんなには飲めないこともあって、ウマが合ったんでしょうね。プロレスの試合は仲がいい者同士か、憎しみあっているふたりが戦うと名勝負になると言います。その点、ダンプと長与千種さんは仲良しだから、あれだけ試合が盛り上がったんでしょう。 ――以前、柴田さんは「解説中にレスラーから攻撃を受けることがあった」と話していましたが、ダンプさんら極悪同盟に襲われたことはありますか? 柴田:女子選手からはあまりなかったけど、いろいろなレスラーにやられました(笑)。ただ、一流のレスラーは力の加減がうまいんです。だから僕もケガしない。でも、ダンプの竹刀だけは絶対に避けていた。いろんな人が「本当に痛い」と話していましたから。 不定期ですけど、今でもダンプはリングに上がっている。ある大会で解説をした時には、「柴田をやっちまおうぜ!」という声も聞こえてくるわけです。いまだに竹刀からは逃げていますが、1回は受けなきゃいけないなとも思っています(笑)。 ――くれぐれもケガには気をつけてください(笑)。ただ、もともとダンプさんが使用していたのは、竹刀ではなかったそうですね。 柴田:もともとはチェーンやムチでしたね。でも、場外乱闘のアクシデントでゲストにケガをさせてしまったことがあって。それでケガのリスクが低い竹刀に変更したみたいです。