クレストール、リバロ、リピトール…あの超有名な「高脂血症薬」には「筋肉や内臓が壊れる」リスクがあった
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筋肉と内臓が壊れる
血圧と同じく多くの人が日々気にかけているのが、中性脂肪やコレステロールの値だろう。これらを下げる高脂血症薬(脂質異常症薬)もまた、クスリの市場では巨大なシェアを占めている。 その中でもスタチン系と呼ばれる高脂血症薬を常用している患者は、世界で4000万人にものぼる。 クレストール(ロスバスタチンカルシウム)、リバロ(ピタバスタチンカルシウム水和物)、リピトール(アトルバスタチンカルシウム水和物)などがあるが、これらは筋肉への副作用があることで知られる。添付文書に横紋筋融解症、ミオパチー(筋肉の疾患)、重症筋無力症といった副作用が共通して記されているのだ。 「スタチンには薬剤性筋障害といって、筋肉の細胞を壊してしまう副作用がまれにみられます。体に力が入りにくくなったり、筋肉痛が起きたりするほか、筋肉をつくるタンパク質が壊れて血中に出てくるため、腎不全につながることもあります」(前出・徳田氏)
高脂血症薬の「併用」に注意
'90年代には、米国でスタチン系のセリバスタチンを服用した患者31人が重症の横紋筋融解症で亡くなり、セリバスタチンは'01年に販売中止となった。命を奪うこともある副作用だと覚えておこう。 加えて、高脂血症薬を複数飲んでいる場合は、スタチン系とフィブラート系を併用していないか注意したい。 これらは併用すると、横紋筋融解症のリスクが単独服用と比べて3~5倍に跳ね上がるため、「慎重に投与する必要がある」とされている。フィブラート系の高脂血症薬にはパルモディア(ペマフィブラート)、ベザトールSR(ベザフィブラート)などがある。 高脂血症薬と併用している人が多いクスリの代表格が、抗血小板薬・抗凝固薬、いわゆる「血液サラサラのクスリ」だ。その知られざる副作用をワーファリン、プラザキサ、リクシアナ…新しい「血液サラサラ薬」にひそんでいる「命にかかわる副作用」で続けてお伝えする。 「週刊現代」2024年6月8・15日合併号より
週刊現代(講談社)