薩摩・大隅に線状降水帯発生・各地で被害 交通への影響も 鹿児島県
鹿児島テレビ
20日から21日にかけて、鹿児島県本土は大雨となりました。 薩摩、大隅地方で、同じ場所で大雨が続く線状降水帯が発生し、いたる所でがけ崩れや道路の冠水など被害が相次ぎました。 田中慎介記者 「(20日)午後10時半の鹿児島中央駅前です。雨が強く降り始めました」 梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、大雨となった鹿児島県本土。 鹿児島市では雨がピークを迎えていました。 轟木康陽記者 「私はいま、横断歩道を歩いていますが、足首までつかるほど道路が冠水しています」 激しい水しぶきが上がっていたのは、鹿児島市西谷山です。 鹿児島県鹿屋市でも午前3時ごろ横殴りの雨が吹き付けていました。 20日から21日未明にかけてのレーダーの動きです。 20日午後10時ごろから大隅地方と南薩方面で、長時間にわたり赤色の(雨量が多い)雨雲がかかり、気象台は午前5時18分大隅地方に、その9分後に薩摩地方に相次いで線状降水帯が発生したと発表しました。 県本土の多くの地点で、6月一月分の半分近い雨量を観測する中、降り始めからの総雨量は鹿児島県指宿で452ミリ、鹿児島市喜入で402ミリを観測。 いずれの地点も24時間降水量は観測史上1位となりました。 夜が明け、被害も明らかになってきました。 鹿屋市吾平町下名です。 大人の膝ほどの高さまで道路が冠水し、車が動けなくなっていました。 さらにこちらは、鹿児島県南さつま市を流れる万之瀬川です。 一時、氾濫危険水位を超え、雨が弱まった21日朝も水位が高い状態が続いていました。 川の護岸工事を担当する業者も、心配そうに見守ります。 護岸工事の業者 「まさか今の時期に梅雨末期のような雨が。今日は見ているだけしかできない。どうしようもないです」 鹿児島県南さつま市と南九州市の市境では道路の陥没が。 また近くでは、この影響で傾いた電柱の復旧作業も行われていました。 そして、観測史上1位の雨量となった指宿市では。 美川愛実アナウンサー 「こちらの斜面昨日の時点で崩れ始めていたということなんですが、21日になってさらに、高さ10メートル以上ある斜面が崩れて住宅を直撃しました」 半壊状態になった住宅。 屋根は崩れ、住宅の中にも泥が入りました。 けが人はいませんでした。 近隣の住民はそのときの様子についてこう話します。 近隣の住民 「バーンと音がしてゴロゴロって。それで家が崩壊しちゃって。ここまで崩れるというのがなかったです」 現場では雨が上がって日差しが強まる中、重機や手作業で泥をかき出す作業が進められていました。 同じく観測史上1位となった鹿児島市喜入前之浜町では、国道226号線とJRの線路が土砂まみれの状態に。 斜面が高さ20m、幅30mにわたって崩れ、車2台も巻き込まれましたが乗っていた人は自力で逃げだしたということです。 鹿児島県のまとめでは、土砂崩れや冠水で国道や県道が、少なくとも13カ所で全面通行止めになったということです。 JRの在来線も、線路の点検のため鹿児島本線、日豊本線、指宿枕崎線などの一部区間で、始発から運転見合わせとなり通勤、通学に影響がでました。 JRの利用者 「午前7時ごろから来ているので、1時間くらい待っている」 「(職場の)上司に確認したところ、「JRの再開を待ってほしい」と言われたので待っています」 JRではいまだに再開していない区間もあり、大雨の影響はこの時間も続いています。
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