侍ジャパン・牧秀悟で韓国倒!五回逆転V打 〝神奈川の牧〟改め〝世界のMAKI〟が導いた国際大会21連勝
【台北15日=浜浦日向、中屋友那】国際大会「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」で2連覇を狙う野球日本代表「侍ジャパン」は、台湾に舞台を移して行われた1次リーグB組の韓国戦に6-3で逆転勝ち。「6番・一塁」で出場した牧秀悟内野手(26)=DeNA=が1点を勝ち越された直後の五回に決勝の2点打を放ち、開幕2連勝に貢献した。 一振りで試合をひっくり返した。1点を追う五回2死満塁。牧が逆転の2点打を放ち「何とかここで打ちたいと。あの場面で打つことができ、粘り勝つことができて良い勝ち方だった」と力強く拳を握った。 台湾での初戦。前の栗原が死球を受け、台北ドームのスタンドからブーイングが起こる異様な雰囲気にも牧は動じなかった。代わったばかりの4番手、李映河の3球続いたスライダーを捉え、鋭く中前へはじき返した。 大会連覇を目指すプレミア12。前回2019年はまだ大学生だった牧は、第1戦のオーストラリア戦(バンテリンドーム)でチーム初の適時打を放ち勝利に貢献した。舞台を台湾に移しても勝負強さは健在。2試合連続打点で日本に国際大会21連勝をもたらした。 「あいつは打ちますよ」。2022年のドラフト会議後。阪神にドラフト1位で指名されたばかりの中大の後輩、森下について、プロでのパフォーマンスが未知数の段階でそう言い切った。2年後、2人の活躍は侍の必勝パターンとなり、牧は「モリが今は軸として打ってチームに勢いを持ってきてくれる。自分はたまったチャンスを打てるように」と語った。 全選手が一人ずつ名前を呼ばれ、グラウンドに登場する試合前のセレモニー。台湾の野球ファンが特に盛り上がったのが、「牧秀悟」の名だった。対戦国でも牧について語る選手は多い。DeNAの主将としてチームを26年ぶりの日本シリーズ制覇に導いた「神奈川の牧」から「世界のMAKI」へ、その人気は今や海を越えた。 クライマックスシリーズ、日本シリーズと最後まで戦い、ほぼ休みなく今度は世界と戦う。前日14日に初めて台湾入り。なぜか、焼き肉店で食べたキムチが気に入った。16日は地元台湾との全勝対決。「盛り上がりがすごいので、その雰囲気にのまれないように、チームジャパンの野球をやりたい」と力を込めた。(浜浦日向)