アジア系NBA選手のパイオニア的存在~ジェレミー・リンに聞く「ユウタとルイの印象」
「アジアにルーツを持つ選手のことは気になるよ」
アジア籍のガード系ポジションの選手が、NBAで成功するのは無理だと思われていた時代に、「リンサ二ティー(熱狂のリン現象)」と称され、旋風を巻き起こしたジェレミー・リン(35歳/台湾プラスリーグ・ニュー台北キングス所属)。NBAで一時代を築いたジェレミーに2人の日本人NBA選手の印象を聞いてみました。 ジェレミー・リンは残念ながら足のケガによりEASL FINAL4の出場を見送りましたが、準決勝の前日練習後の会見に登壇。まずは渡邊雄太(メンフィス・グリズリーズ)についてコメントしてくれました。 「得意のスリーポイントでリーグを驚かせているのはよく知っているよ。以前カリフォルニアで一緒にワークアウトもやった仲間だし、SNSで彼のハイライトを見かけるとうれしい気持ちになるね」 続いて、八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ所属)についても話してくれました。 「レイカーズでプレーすることの大変なプレッシャーは知っている(自身も2014-15シーズン、レイカーズに所属)。それを感じさせずに、プレーしているのは本当にすごいことだよ。ルイとは練習を共にしたことはまだないけれども、2人の活躍はもちろん知っている。彼らだけではなく自分と同じアジアにルーツを持つ選手がいれば、いつもチェックするようにしているし、もちろん気になる」 ジェレミーは開催地セブ島に多く駆けつけた地元フィリピンメディア向けに、フィリピン人の祖母を持つ帰化選手のジョーダン・クラークソン(ユタ・ジャズ所属)についても言及しました。
「台湾代表でプレーしたい」の前に立ちはだかるルールの壁
試合に出なくても会場となったHOOPS DOMEに姿を現すだけで大歓声を浴びたジェレミー。バスケ大国フィリピンでの高い人気もうかがえた。そして、かねてから直接聞いてみたかった台湾代表への想いについて聞いています。 「その質問が一番苦しく、難しい質問の一つです。私の両親は台湾人であり、私自身はカルフォルニアで育った。母国のためにプレーできないことの悔しさは何度も尋ねられたが、過去は変えられないので受け入れるしかない」と代表への情熱があることはわかりました。 台湾プラスリーグ関係者にも確認しましたが、16歳以降で台湾籍を取得したジェレミー・リン、そして弟のジョセフ・リンが台湾代表でプレーするには、現在のところ帰化選手としてプレーするしか方法がありません。近年の台湾には身長211センチのウィリアム・アルティーノというビッグマンの帰化選手がすでにおり、サイズ優先だとするとリン兄弟が代表でプレーする可能性は今のところ低そうです。アジアでのバスケ人気発展のためにも残念でならないですね。