竹内まりや『いのちの歌』に込めた思い「人々の思いが誰かの思いとなって継がれていくであろうという、望みも込めてこの歌詞を書きました」
◆思いが歌として継がれていく
住吉:それでは、最後のリクエストを紹介します。この曲にもたくさんのリクエストが集まりました。代表して1通のメッセージを紹介します。 <リスナーからのリクエストとメッセージ> ・「いのちの歌」 この曲は母と出かけたコーラスの発表会で聴いたのですが、初めて聴いたときから涙があふれてしまいました。まりやさんの曲と知り、すぐにダウンロードして何回も聴かせてもらっています。1年半前、母の病気がわかり、その後3ヵ月で亡くなりました。しばらくは、さみしくてさみしくて……。 でも、まりやさんの歌詞にあるとおり、「いつかは誰でも この星にさよならをするときが来るけれど 命は継がれてゆく」という言葉を胸に、父と母から、そして、もっと前から継がれている命を大切にしたいと思っています。それでも、さみしくなるとこの曲を聴きながら思いっきり泣いています(女性・54歳) 住吉:まりやさんは、こういった心に染みる曲を書いて歌ってくださるのがすごいなと思いっています。こういう壮大なテーマのメッセージソングって少しお説教くさくなる危険性もあるじゃないですか。 でも、まりやさんはどんなメッセージでもスッと入ってくるんですよね。それはまりやさん自身が毎日を地道に大切に、ヒストリーを積み重ねてきているからだと思います。 竹内:そこまで考えているわけではないんですけども、いつかは誰でもこの星にさよならする、死というものを、この曲を書いている年代から意識するようにはなりましたね。 魂ってどうなるんだろうと考えたとき、子どもとして命が継がれるってことがなかったとしても、思いってどこかに継がれていきますし、この歌が継がれていくといいなと思いました。人々の思いが誰かの思いとなって継がれていくであろうという、望みも込めてこの歌詞を書きました。 住吉:生きている実感を歌詞に落とし込んで、真心で歌われているんですね。 竹内:「命にありがとう」という言葉が自分から出てくるのはすごく不思議な感じがしましたね。あまりにも直接的な言葉ですけども、それ以外に言葉が見つからなかったんです。この歌はすごくシンプルに書きましたね。 住吉:間違いなくこの歌は継がれていくと思います。
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