どこか可愛い京友禅 「手毬に寄り添う、二匹の白蛇」絵馬奉納 京都のパワースポット・神泉苑に奉納
平安時代、弘法大師・空海が「雨乞いの祈祷」を行ったとされ、祇園祭発祥の地とされる真言宗寺院・神泉苑(しんせんえん 京都市中京区)に、今季も京友禅作家・足立茂さんが奉納した絵馬がお目見えした。 【画像】神泉苑に奉納、京友禅の巳年絵馬 鮮やかな紅色とうぐいす色を基調とした手毬に、2匹の白蛇が寄り添うユーモラスな作品として、境内の「善女竜王社(ぜんにょりゅうおうしゃ)」手前の拝殿に設置されている。 神泉苑は、794(延暦13)年に桓武天皇により禁苑(きんえん / 宮中の庭園)として造営された。 平安京(大内裏)の南東隣に位置し、疫病退散を願い始まった祇園祭のルーツ「御霊会(ごりょうえ)」も開かれた。空海が淳和天皇の勅命で祈雨(雨乞い)を行ったのもこの地だ。 これ以降、神泉苑の池には善女龍王が住むとされ、神仏習合の時代の面影を色濃く残し、パワースポットとしても知られている。 足立さんは絵馬を奉納して9年。あと3年で干支が一廻りする。巳年の絵馬について、尊敬する人間国宝の截金(きりかね※)師・江里佐代子さん(2007年死去)の作品を参考にしたという。 ドイツ・フランクフルトから訪れた30代のカップルは、二条城とそのすぐ真南にある神泉苑の境内を散策していた。 絵馬を見て、「日本はその年によって、動物の守り神(干支・十二支)があるのに驚いた。西洋とは異なる信仰のスタイルは神秘的。とても可愛らしく、色彩が鮮やか」と話した。 ※截金~金箔などを焼き合わせ厚くしたものを、細く線状または丸・三角・四角等に截(き)り、筆で糊で貼り合わせ、多様な文様を表す技法。古来より仏像や仏画の加飾荘厳(しょうごん)として用いられている。
ラジオ関西