旧車の維持費は思ったほどじゃなかった! それより大変なのは……旧車オーナーが実体験を語る
大きな故障はないが元気に走るための細かな出費はある
旧車、といっておきながらユーノスロードスターを例に挙げるとなると、「ロードスターは旧車じゃないだろ!」という声も聞こえてきそうだが(実際、筆者もそこまで旧車という感覚はない)、気づけばデビューから35年が経過しており、気づけば立派に旧車になりつつあるモデルということになるようだ。 【写真】数億かけるとここまでに生まれ変わ流! 最新の空冷ポルシェがヤバすぎる! そんな筆者のロードスターは所有して10年以上が経過しているが、ぶっちゃけていってしまえば、走行にまつわる部分でそこまで大きな出費というものはなく、路上で止まってしまってロードサービスのお世話になったという経験もないというのが正直なところだ。 もちろん年数の経過した車両であるため、エンジンやトランスミッションまわりからのオイル漏れ修理やクラッチまわり、ラジエターまわりなど、経年劣化で交換した部分は複数あるが、どれも数万~10万円に満たない出費となっており、まとめての出費であればツライところだが、1カ所ずつ修理していったためそこまで厳しいものではなかった。 また、ロードスターに関してはメーカーがレストアプロジェクトを立ち上げたことや、もともとアフターパーツが豊富なことなどもあって、部品の手配で困ることはほぼなかったというのが、維持していく上で一番助かっているポイントとなっている。 というのも、筆者はほかに1981年式の初代日産パルサーを保有しており(こちらは現在ガレージで眠っている)、過去には1970年代の軽自動車やワンボックスカーを所有していたこともあったが、これらは部品の多くがメーカーからの供給が終了しており、かといって人気車種というワケでもないため、アフターパーツや純正同等品などのリリースもなく、ネットオークションなどにも出てくることがほとんどないというのが一番キツイところなのだ。 これがスカイラインやフェアレディZといった人気車種であれば、ある程度の出費を覚悟すれば部品を揃えることも不可能ではないのだが、不人気旧車の一番のツライところは、出費ではなく部品が揃わないという点に尽きる。 部品が出てこなければ出費もゼロのままだが、それではクルマを走らせることはできないので、旧車を維持していく上で本当に必要なのは、予算はもちろんのこと部品が見つかるまで根気強く粘ることができる忍耐力なのかもしれない。
小鮒康一