松木玖生がパリ五輪よりも欧州挑戦を選んだ理由。「何が通用するかも分からない」未知の世界では「自分との戦いになる」
重く響く長友佑都の言葉
パリ五輪出場を断念する覚悟があっての欧州挑戦。なぜこのタイミングなのかを問われた松木玖生ははっきりと「チャンスが来たから」と答えている。 【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開! 高卒ルーキーとしてFC東京に加入してから2年半、Jリーグで確かな経験を積んだ松木が次のステップに進むことに違和感はない。機が熟したと、そんな見方もできるだろう。ただ、本人にしてみれば遅いタイミングなのかもしれない。 実際、松木はこんなコメントをしている。 「自分ももう若い歳(21歳)とは見られないので、チャンスをもらえたからにはそれをしっかりと掴みたいです」 ただ、年齢的な要素はそこまで重要ではないかもしれない。若くしてヨーロッパへ渡り、短期間で挫折を味わってJリーグに復帰する選手も少なくないし、三笘薫のように23歳で海外移籍して飛躍を遂げる者もいるからだ。 年齢よりも重要なのは、当然ながら移籍先でのパフォーマンス。だから、百戦錬磨のベテラン、長友佑都は”行っただけで終わらないよう”「最低でも10年ヨーロッパで戦ってほしい」と松木にエールをおくっている。 「これからは助っ人と見られるので、そこには想像以上の厳しさが待ち受けています」 長友の言葉が重く響く。 「まだ海外のクラブで本格的にプレーした経験がないので何が通用するかも分からない」という松木にとって、ヨーロッパの舞台はいわば未知の世界で「自分との戦いになる」。一部報道によると、松木はイングランド・プレミアリーグのサウサンプトンに完全移籍したのち、トルコ1部リーグのギョズテペにレンタルされるとのこと。過酷な環境でのサバイバルがもうすぐ始まる。 取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)