デビュー20周年を迎えたSUPER EIGHTが語る“続けること”。「同じ熱量を保つのは無理。"波"はあっていいんです」
村上信五 「意味とかモチベーションとかそんなもんは考えなくていい‼」
「あなたがずっと続けていることは何ですか?」と聞かれたら、僕は「生きていること、それだけです」って答えますね。この仕事も続いているけど、僕自身は続けることを意識してやってきたわけではなくて。目の前のことに夢中になっているうちに「気づいたら、ここにいた」という感覚なんですよ。なんやろう、SUPER EIGHTという電車に乗り続けていたら、線路がどんどん増えていって、いつの間にかいろんな場所にいけるようになっていた、そんな感じ。続けることは大事なことでもあるんやろうけど、個人的には「そんなのいちいち考えんでもいい!」の気持ちです。例えば、僕もピアノの練習なんて始めたばかりの頃はイヤでイヤで仕方がなかったけど、「これはもうやるべきものなんだ」と決めて習慣にしてしまったら、ピアノの前に座るのが苦痛じゃなくなった。そもそも、“モチベーション”とか“やる意味”とか余計なことを考えるからややこしくなるんですよ。本当に好きなこと、やりたいこと、やるべきことは自然と続くし続いていく。もしも今、夜中についいろんなことを考えてしまうという人がいるなら伝えたいもんね。「はよ寝ろ!」って(笑)。
横山 裕 「長く続けているからこそ答えが見えなくなることもある」
10代の頃、先輩から「何事も辞めるのは簡単。続ける難しさに直面するときが来ると思う」と言われたことがあった。実際に、SUPER EIGHTはその難しさを痛感してきたグループだったと思う。そのたび、僕たちは立ち止まり、向かい合い、話し合うことを心がけてきた。これだけ長い時間を一緒に過ごしていると「話さなくてもわかる」領域に突入しがちだけど、互いの想いをちゃんと言葉にして伝え合うことはやっぱり大事なことなんだよね。この20年間で僕が手に入れたものはなんだろう。それはきっと「20年やった」という信頼や実績なのかもしれない。それは自信を届けてくれたけれど、20年という長い時間はまた僕に続けることの難しさを届けているようにも思う。10年目、15年目あたりまではなんとなく未来が見えていたけれど、20周年を迎える今はまた先が見えなくなってきた。キャリアも年齢も重ねた自分は一体どこへ向かい何を選ぶのか……。その正解がわからないからこそ、今の僕は、自分が選んだ答えを自分自身で正解に変えていくことが大事なんだと感じている。
SUPER EIGHT Information 7月31日(水)に、SUPER EIGHTの最新アルバム『SUPER EIGHT』 が発売!「SUPER EIGHT=SUPER HERO」をテーマに、物語を紡ぐように構成されたバラエティに富んだ楽曲群が収録。お見逃しなく! MAQUIA 9月号 撮影/神戸健太郎 ヘア&メイク/山﨑陽子 スタイリスト/袴田能生〈juice&juicy〉 取材・文/石井美輪 構成/萩原有紀(MAQUIA)