「ぜひ書いてもらいたい」日本シリーズでDeNA東克樹が“確信犯”のソフトバンクファンに2度の抗議「僕たちは1球が勝負の世界でやっているので…」
「僕たちは1球が勝負の世界でやっている」
沖縄では指笛を使った応援は、高校野球などでもよく見られる光景で、ある意味、ごくごく一般的な応援スタイルだともいえる。そういう意味では「それぐらいはプロなのだから、何で大袈裟に気にするのか」「こんなことが気になるのなら沖縄では投げられない」という意見があるかもしれない。しかし逆にプロだからこそ、こうしたある種の“妨害行為”に対しては、毅然とした対応をしなければならないということもある。 「違和感というか、わざとやっているように感じた。モーションに入ってからわざと。バックネット(裏)でやっていたので、すごく聞こえるんですよ。で、それが気になったというか。本当に別に禁止されていないんで、ダメとは言えないんですけど。ただタイミングというか、それはちょっと考えて欲しいなっていうのはありました。僕たちはやっぱり1球、1球が勝負の世界でやっているので、そういったことは止めてもらいたいなっていうのはあります」 ましてや東にとっては故障明け、必死のリハビリと調整でやっと上がってきた日本シリーズのマウンドだ。毎回走者を背負いながらも、気持ちでソフトバンク打線を抑え込んできている中で、「意図しての妨害では」と思えてしまう行為は、許容できないということである。 おそらく当該の観客はメジャーリーグならその場で強制退場となるような行為である。しかしトラブルを避ける意味でもしっかり危機管理した上で、観戦を許した球場側の判断も日本のスタジアムなら妥当なものだったと言えるだろう。
「足がちぎれてもくらいのつもりで…」
中断したゲームのリスタート直後、今宮への初球のチェンジアップを叩かれ中前安打を浴びた。 「それに関しては実力不足です」 トラブルの影響を聞かれた東はこう語って少し笑みを浮かべた。確かにその後は実力で七番の正木智也外野手を中飛、甲斐拓也捕手を真っ直ぐで一邪飛に打ち取り、この回も無失点に抑え込んだ。 7回を投げて105球、10安打を浴びながらも失点は初回の1点だけ。 「投げられる喜びを感じながら、マウンドに立ちたいという思いもありましたし、本当に足がちぎれてもいいくらいのつもりでマウンドに立ちました」 2018年の第3戦から続いていたソフトバンクの日本シリーズ連勝も14で止め、シーズン13勝を挙げたハマのエースの見せた「勝つピッチング」が、ようやく今シリーズでチームに初勝利をもたらした。
(「プロ野球亭日乗」鷲田康 = 文)
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