[乗って楽しけりゃいい]なら[4WDスポーツ]で決まり!!! なのにどんどん激減しちゃってるのはなぜ?
■4WDモデルのデメリットは?
すべてのものに良い点があれば悪い点もあり、それはクルマも例外ではない。 ここからは4WDのデメリットを考えていきたい。 最初に考えられるのが、2WDに比べて部品点数が多いことによる車体価格の上昇だ。 4WDと2WDのどちらも用意されている車種では、ほとんどの場合4WDのほうが、車体価格が高く設定されている。 次にあげるデメリットは、これもまた部品点数の多さによる車重の増加だ。 クルマの重さは燃費に大きく影響し、当然ながら重いクルマの燃費は軽いクルマより悪くなり、これがランニングコストにも響いてくる。 さらに複雑な構造は整備性の悪さも招き、メンテナンスコストも高くなってしまう。 このように、単純なコストを考慮すると4WDの旗色は悪くなる。
■それでも4WDスポーツを楽しみたい!
環境のことを重視したエコが叫ばれる現在、4WDのスポーツ車が減少傾向にあるのは間違いない。 とはいえ、気骨のあるスポーティな4WD車が存在しているのも事実で、ここからはそんな国産スポーツ4WDモデルをピックアップして見ていこう。 ●スバル WRX S4 4WDにこだわり、一貫して自社ラインナップに4WD車(スバルではAWD【All Wheels Drive】と表記)を持ち続けているスバルが誇るスポーツセダンがWRX S4だ。 2021年に登場した現行型は、ターボで武装した2.4リッター水平対向エンジンを搭載するが、このエンジンが275psを叩き出し、高度にチューニングされたサスペンションがそのパワーを確実に路面へと伝達する。 国内仕様の変速方式は8段マニュアルモードを備えたCVT式のスバルパフォーマンストランスミッションを採用。 このCVTが出色の仕上がりを見せ、スムーズかつシャープな加速特性を実現している。 もちろん操縦性も申しぶんなく、スポーツドライビングの楽しさを存分に味わえる。 ●トヨタ GRカローラ トヨタのレーシングブランドであるGR(Gazoo Racing)の名を冠した特別仕様のカローラがこのモデル。 ベースとなっているのはカローラスポーツだが、中身はまったくの別モノといってよく、同じGRブランドのGRヤリスと共通のコンポーネンツが多い。 カローラスポーツにも4WD仕様が用意されているものの、こちらのGRカローラではGRヤリスと同じく前後の駆動力配分を調整できる電子制御式4WDシステムの「GR-FOUR」を搭載。 さまざまな路面コンディションに対応して4輪へのトルク配分を制御し、ドライバーが意のままに操れるトラクション性能を発揮する。 ラリーで鍛えられた1.6リッター3気筒エンジンにはターボが装着され、305psの最高出力を発生、最大トルクも37.7kgf-mと高い。 ●日産 ノート オーラNISMO このモデルは内燃エンジンを動力にするのではなく、エンジンで発電して電動モーターで走行するe-POWERを搭載する。 オーラは日産 ノートの派生車種ながらノートよりハイクラスに設定されていて、よりスポーツ性を高めたのがNISMOバージョンだ。 4WD仕様が登場したのは2024年のマイナーチェンジモデルからで、電動モーターが前後輪双方に装備され、標準モデルよりも出力がアップしている。 NISMO tuned e-POWER 4WDと命名されたこのシステムでは、NISMO専用のリアモーターを装備し、前後モーターのトルク配分を状況に応じて制御して最適なトラクションを得ることができる。 このシステムがドライバーの操作に適格に反応するとともに安全にクルマを操ることを可能にした。 ここまで見てきたように、4WDスポーツには多くの魅力がある。 現在はこうしたスポーツ性の強いクルマに対する風当たりが少々キツくはなっているが、これからも存続してほしいジャンルのひとつなのは間違いない。