投資の含み損、取り戻せる?元外資系金融エリート肉乃小路ニクヨさんが「新NISA」徹底解説【辛酸なめ子】
肉乃小路ニクヨさんの新NISAおすすめ商品は?
新NISAというと、多くの記事では「eMAXIS(イーマクシス)Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(通称オルカン)がやたら推されています。ニクヨさんのおすすめの商品は何かあるか伺うと…… 「私もeMAXISのオールカントリーと、日経平均と連動する他の商品を持っていますね。eMAXISは、全世界の株式が入っているのに手数料も高くない。手数料を抑えるためにかなり工夫をして運用をしているとBSテレ東のニュース番組でも取り扱っていました。個人で数百の株を分散して買ったらコストがかさんで大変です」 調べてみたら「オルカン」のコストは、買付手数料なしで管理費用(含む信託報酬)0.05775%。これはかなり安いです! 私が一般口座で買った投資信託の手数料は2%くらいだったことを思い出し、また気が遠くなりました。
自分が住んでいる社会をより良くするためにも、日本の会社に投資したい
ニクヨさんはオルカン以外にもおすすめの投資信託があるそうです。 「私は日本人としてはやはり日本の会社に投資するのが良いんじゃないかって。日本はオワコンみたいな意見もありますが、やっぱり住んでいる日本に投資して応援したい。私は日経平均と連動する商品も持っています。悲観的な見方もあるけれど、逆に企業はチャンスと捉えて、少ない人数で生産性を上げられたら良いのかもしれません。少子高齢化社会の解決法を見出せば、そのノウハウをこれから高齢化していく他の国々に輸出できる。自分が住んでいる社会をより良くするためにも、日本の会社に投資したいです。日経平均と連動する商品を買ったら、貢献してることになると思っています」 と、意外にも愛国心がみなぎるお言葉を伺い、胸が熱くなりました。おっしゃる通りで、利益にとらわれて米国株を中心とした海外の株ばかり買っていたら、住んでいる母国の経済がおろそかになってしまいます。 「S&P500に連動する投資信託とか、オルカンに人気が集まると、日本人の資産が外国に流出してしまいます。(ウォーレン・)バフェットさんも日本の株に興味を持っているそうだし、日本の株も好調なので投資しても良いと思います」 新NISAで投資を勧めて海外にお金を流して米国経済を活性化させる、という流れはもしかして日米の間で何か示し合わせているのかも? と思ってしまいます。私もオルカン一択という思いを改め、国内投資にも目を向けてみようと思います。「国内の経済が活発になれば、回り回って自分に返ってきて、生きやすい社会になります」と語るニクヨさんは、どこか崇高な使命感を漂わせていました。
撮影/大坪尚人(本社写真部) 構成/露木桃子
辛酸 なめ子