青森山田が木製バット使用、安打も 低反発導入に対応 センバツ
第96回選抜高校野球大会は第4日の21日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で京都国際―青森山田の1回戦が行われ、青森山田の3番・対馬陸翔(りくと)選手(3年)と5番・吉川勇大選手(3年)が一回の第1打席、木製バットで打席に立った。吉川選手は安打を放った。 【熱戦をもう一度】京都国際-青森山田(1回戦) 高校野球では1974年から金属バットが導入されたものの、今春から打球が飛びにくい低反発バットが導入されており、対応策として異例の木製バット使用となった。 高校野球では今春から、投手らの打球の受傷事故を防ぐため、低反発の新しい基準の金属バットが導入された。以前よりも打球速度や飛距離が落ちるために、しなる感覚を得やすく重さ900グラム以上の制限もない木製バットの使用を検討する選手がいた。 対馬、吉川両選手は昨秋の明治神宮大会終了後から、木製バットで練習に取り組んでいたという。昨秋に打線の中軸を担った対馬選手は「低反発バットも試したが、バランスなど自分に合うものがなかった。木製の方が操作性もいいし、900グラムより軽い890グラムを使える利点もある。大学は木製なので、幅も広がる」と説明。甲子園には木製バットを10本ほど持参した。「両親が『木製でいくと決めたなら応援する』と買ってくれたので感謝しています」と語っていた。 吉川選手は今月の練習試合で木製バットで本塁打を放ったという。「こすった時の打球の伸びは金属よりある」と手応えを感じていた。 兜森崇朗監督は開幕前に「飛距離もそんなに大差ないので、選手の感覚に任せている。対馬、吉川は『金属バット打ち』で強引に引っ張り、引っかけるケースが多かった。木製の方が2人とも打撃の技術そのものが良くなっている気がする」と指摘していた。【長宗拓弥】