アウディ「新時代の幕開け」 新型Q6 eトロン発表 517馬力の高級SUVはすべてが新しかった
最新世代のインテリアとソフトウェア
乗車定員は5人。トランク容量は526Lで、これに加えてフロントに64Lの "フランク" を備える。インテリアは「ソフトラップ」と呼ばれる新しいデザインコンセプトを採用し、ドアからダッシュボードまで連続的な曲線でつなげている。また、リサイクル可能な内装材が多数使用されている。 ダッシュボードは、シングルフレーム・グリルを模した「デジタルステージ」を中心に、11.9インチのデジタル・インストゥルメント・ディスプレイと14.5インチの曲面インフォテインメント・タッチスクリーンが組み合わされている。助手席用に10.9インチのディスプレイもあり、走行中は運転席から見えないようになっている。 弧を描くようにフロントガラスの下部を横切るダイナミック・インタラクション・ライトでは、さまざまな情報を光で乗員に伝えることができる。
最新技術「E3」システム 高度な生産体制
インフォテインメント・システムは高度なカスタマイズが可能で、YouTubeやゲーム、オンライン・ショッピングといったサードパーティ製アプリをダウンロードして使用することができる。発売時点で、欧州では70以上のアプリが利用可能だ。 アウディ最新の音声アシスタント・システムを搭載し、800以上のボイスコマンドを実行できるという。 こうしたインフォテインメント・システムは、新開発の電子アーキテクチャー「E3」のバージョン1.2によって支えられている。E3は5台の高性能コンピュータを使用し、駆動系、サスペンション、車体の挙動、運転支援、インフォテインメント、快適機能、内部ネットワークおよび外部通信を制御するものだ。 Q6 eトロンの生産は、アウディの本拠地ドイツ・インゴルシュタットで行われる。高度な自動化を特徴とし、1日あたり約1000台の生産が可能だという。駆動用バッテリーはインゴルシュタットに新設された工場で、電気モーターはハンガリー・ジェールで生産される。
記者の視点:EV 2.0へようこそ
アウディQ6 eトロンは、同社3台目の電動SUVだ。だからといって、これまでと同じ内容というわけでは決してない。プラットフォームを共通化するポルシェ・マカンと並び、フォルクスワーゲン・グループによる新世代のEVの幕開けを意味するからだ。 Q8 eトロンは内燃エンジン車用プラットフォームの改良版を、Q4 eトロンは拡張性の高いMEBを使用している。しかし、PPEはアウディとポルシェがEV向けに特別に開発したもので、電子システムとソフトウェアに焦点を当てた設計となっている。多くの点で、Q6 eトロンはまっさらな状態から開発された初めてのアウディEVということになる。 PPEの鍵は柔軟性である。ソフトウェアとコンピューターに焦点を当てることで、無線アップデート(あまり歓迎されない動きだが、有料機能が増える可能性もある)と開発の迅速化が可能になる。それはまた、方向転換の時でもある。アウディのような企業は現在、電気技術に関する多くの知識を持っており、それを使って何ができるかを示す時なのだ。
ジェームス・アトウッド(執筆) 林汰久也(翻訳)