韓国大統領の弾劾審判、憲法裁が27日に最初の弁論準備手続き
(ブルームバーグ): 韓国の憲法裁判所は16日に裁判官会議を開き、尹錫悦大統領の弾劾審判を担当する裁判官らを決めるなど、審理に向けて動き出した。同裁判所のイ・ジン報道官が明らかにしたもので、最初の弁論準備手続きを27日に行う。
一方、大統領による「非常戒厳」宣布について合同で捜査している「非常戒厳共助捜査本部」は16日、内乱と職権乱用の疑いについて事情聴取するため尹氏に18日に出頭するよう要請する。聯合ニュースが同捜査本部を引用して報じた。
これとは別に検察は独自に、尹氏に21日の出頭を要請したと、YTNが伝えた。尹氏は15日の出頭要請に応じなかったため、2回目の要請となる。
大統領に対する弾劾訴追案は14日に国会本会議で可決され、尹氏は職務停止となった。一部の与党議員も賛成に回った。同氏は3日夜、1987年の民主化後では初めての非常戒厳を宣布し、韓国を政治的混乱に陥れた。
尹氏の職務停止により、憲法裁判所の判断が言い渡されるまでは、韓悳洙首相が大統領代行を務める。
憲法裁判所は弾劾の妥当性を審査し180日以内に決定を下す。妥当と判断されれば、大統領は罷免され、60日以内に大統領選挙が行われる。過去の大統領弾劾審判では結論が出るまで2-3カ月かかった。
憲法裁判所の裁判官は定数9人だが、3つの空席が埋まっておらず、現在は6人しかいない。イ・ジン報道官は、6人体制でも弾劾審判で判断を下すのは可能だと説明した。野党は12月中に空席を埋めるよう要求している。空席を埋めるための裁判官指名を行うかどうかは最終的に大統領代行の判断となる。国会議長は、国会が残りの裁判官指名を急ぐと約束している。
韓国の通貨ウォンと株式は16日、上昇して始まったが、その後は伸び悩んだ。投資家の関心は、センチメントに重くのしかかっている経済を巡る懸念に移っている。
尹大統領は14日、弾劾訴追案可決後の国民向けコメントで、「私は決して諦めない」と述べ、職務復帰のため法廷で争う考えを示唆した。