【ハイライト動画あり】この経験を糧に成長できるか。「超速ラグビー」初陣は、イングランド代表に完敗
コーチ陣も選手も約2週間という短い準備期間を言い訳にしなかったが、キックの応酬でぽっかり背後にスペースを空けてしまうなど細部は詰め切れていない印象が強かった。そのなかで、ラインアウトは完成度が高く、モールのディフェンスもまずます。もっとも心配されたスクラムもある程度手ごたえをつかめた。ただ、アタックの部分ではセットプレーから少ないフェーズでトライを取ることができなかった。超速ラグビーは、長時間の連続攻撃は想定されていないはずだ。後半26分の根塚のトライのように少ないパス回数でトライを取り切るのが理想だろう。
現実を突きつけられたが、思い切ったチャレンジで得たものも多い。「2027年に向かって選手層を厚くしなければならない。ラグビーワールドカップでベスト4になるには、各ポジションに3名ずつは選手が必要です」。ジョーンズHCはこの試合でもたくさんの選手をデビューさせた。多くの選手に経験を積ませながらチームを強化する。難しいかじ取りが求められている。期待を込めて、改めてテストマッチデビューとなりキャップを得た8人の名を記しておきたい。先発=PR茂原隆由、HO原田衛、FLティエナン・コストリー、CTBサミソニ・トゥア、FB矢崎由高。交代出場=PR為房慶次朗、FL山本凱、SH藤原忍。彼らのさらなる成長を楽しみに今後の戦いを見ていきたい。
村上 晃一