「元日の恐怖よみがえった」 石川県内震度5弱、被災者声震わせ
再び襲ってきた大きな揺れに、能登半島地震の被災者は「元日の恐怖がよみがえった」と声を震わせた。響きわたる緊急地震速報のアラート。「また来たのか」。石川県庁や能登の自治体には職員が次々と集まり、被害の確認など情報収集に追われた。 【写真】情報収集を進める輪島市職員 輪島市企画振興部長の山本利治さん(54)は市役所近くの家からすぐに登庁。「強い横揺れが30秒近く続き、なかなか止まらなかった。久しぶりの大きな揺れだった」と語った。市役所で残業をしていた30代の総務部職員は「結構揺れて、とっさに避難行動を取ることはできなかった」と振り返った。 ●住宅倒れないか不安 震度4を観測した珠洲市では、坂本啓子さん(72)が営む居酒屋の近隣には元日の地震で被害を受け解体を待つ住宅があり、「壊れて倒れてこないか不安だった」とこぼした。 震度5弱を観測した志賀町。町役場では災害対策本部会議が開かれた。志賀町富来地頭町区の坂野満区長(70)は「小さい揺れがずっと続いているように感じる」と不安げな表情を見せた。町に相談し、富来防災センターに住民が身を寄せられるよう手配したという。 元日の地震で液状化被害が発生した内灘町宮坂区の坪内健一区長(75)は「夜が明けてから周辺を確認したい」と新たな被害が出ていないことを祈った。 地震の影響で北陸新幹線は一時停電し、運転を見合わせた。敦賀発富山行きの「つるぎ50号」は午後11時55分ごろ、約30分遅れで金沢駅に到着した。京都からの旅行帰りだという金沢市の50代夫婦は、福井駅の手前で、15分ほど停電したとし、「このまま新幹線が動かなかったらどうしようと思った。『またか』という気持ちだ」と疲れた様子で駅を後にした。