先行するau 追うドコモ 各キャリアが競う次世代の高速通信技術とは
LTEの次世代規格『LTE-Advanced』の要素技術のひとつ、キャリアアグリゲーション(以下、CA)が、auの2014年夏モデルから搭載された。同サービスは、下り最大150Mbpsの通信速度を実現させるもので、3Gが数Mbps~14 Mbps程度、これまでの4Gが75 Mbps程度だったことを考えれば、2倍の速度が実現することになる。auが先行する形となったが、ドコモは年度に、ソフトバンクも将来的に追随する見込みだ。 ■2つの帯域を利用 2倍の通信速度に CAとは、複数の異なる周波数帯域を束ねることで、下り最大150Mbpsの通信速度を実現する技術。auの場合、800MHz帯と2.1GHz帯の2つの帯域で実施する。これまでの技術は、2つの帯域が利用できても、『同時に』使える電波は、どちらか1つだけだった。そのため、通信速度はそれぞれの最大値だったが、CAの場合、『同時に』2つの帯域を利用するため、“足し算”になり、最大下り最大150Mbpsの通信速度が実現できる。 ■通信の安定化が見込める メリットは通信速度だけではない。2つの帯域の電波を使用するので、通信の安定化が見込める。これまでは、『通信速度』のケースと同じように2つの帯域があったとしても、1つの帯域しか利用できなかった。その結果、接続している帯域の電波が弱くなると通信が不安定になってしまう。しかし、CAは2つの帯域を束ね合わせて利用するため、片方の帯域の電波が弱くなったとしても、もう一方の帯域の電波でカバーすることができる。通信状況が急激に悪化することを防げ、安定した通信状況を保てる。 ■ネットワーク全体の効率化 3つ目のメリットとして、複数の帯域を有効活用することでネットワーク全体の効率化が期待できる。これまでのCA非対応機種の場合、1つの帯域がほとんど使用されていない場合でも、接続する帯域が決まっているため、混雑を避けることはできなかった。しかし、CAの技術により、双方の電波を同時に使用し、各帯域の空き状況などによって接続を割り当てていくため、偏りによって通信が不安定になることが減少する。また、CA非対応の機種の利用者も快適に通信できるようになる。