「失われた世代」に直面するプライベートエクイティー業界-高金利で
(ブルームバーグ): オンタリオ州教職員年金基金(OTPP)の最高戦略責任者、ジョナサン・ハウスマン氏によると、プライベートエクイティー業界は、高金利が長期化するに中で「失われた世代」に直面している。
同紙は11日、トロントでの米カナダ・サミットで「プライベートエクイティーの世界は、ちょっとした失われた世代に直面しているのかもしれない」と語った。
バイアウト業界は、2008年の金融危機以降で最も厳しい環境にある。借り入れコストの上昇によって案件が減少し、運用会社は年金基金や寄付基金、富裕層などの投資家に資金を還元することが難しくなっている。
ケベック銀行のプライベートエクイティー部門責任者、マーティン・ロンシャン氏は、同じイベントで「プライベートエクイティー投資会社は、保有企業を安く売ることを好まない」と指摘。一方、プライベートエクイティーファンドに投資しているリミテッドパートナーは「資金を取り戻したがっている」という。
ロンシャン氏は、今後6-12カ月の間に世界で取引が「大幅に増加」すると予想している。
ハウスマン氏によると、バイアウト会社は今のところ、一部事業のスピンオフや新ファンドへの資産移管などの新しい策を駆使してディールの干ばつをしのいでいる。
同氏は業界の統合が進むと予想。「多くのリスクが存在する環境では一般的に、業界の統合が起こる。事態は改善するだろうが、それは人々が適応したためであって、状況が好転したためではない」と同氏は語った。
原題:Private Equity Faces ‘Lost Generation’ on Higher Interest Rates(抜粋)
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Layan Odeh