日本PTA協元幹部が背任罪を否認 工事めぐり「適正価格で進めた」
全国のPTA組織でつくる公益社団法人「日本PTA全国協議会(日P)」のビル修繕工事を巡り、背任罪に問われた日P元参与で会社役員青羽章仁被告(54)=さいたま市中央区=の第2回公判が3日、さいたま地裁(金子大作裁判官)であった。日P発注の工事代金を業者に水増し請求させたとする起訴内容について、青羽被告は「不正行為を行おうとしたものではない。適正価格を確認しながら進めてきたつもりです」と否認した。その上で「多くの方に迷惑をかけ、世間をお騒がせしたことを深く反省しています」と述べた。 【写真】工事のあった日P会館=2023年9月7日午後5時18分、東京都港区、小林未來撮影 起訴状によると、青羽被告は2022年8月~23年1月、日Pが発注したビルの修繕工事で、自らの利益を上乗せした工事代金をさいたま市内の工事業者に振り込ませ、日Pに約1205万円の損害を与えたとされる。 検察側は冒頭陳述で、青羽被告が業者に対し、料金を水増しした見積書を作成させていたと主張。その後、青羽被告が実質的に経営する会社の口座を通じて、不正に現金を受け取っていたと訴えた。 青羽被告は、さいたま市PTA協議会(市P協)を巡る業務上横領罪にも問われており、同罪については当時市P協会長だった農業岡野育広被告(59)=同市岩槻区=らとともに起訴内容を認めた。(浅田朋範)
朝日新聞社