ザックJ、東京五輪にOA枠出場を狙う選手は?
長友が立候補
未明の日本列島を狂喜乱舞させた東京五輪開催決定から数時間後。神奈川県内のホテルで朝食を取っていたザックジャパンのメンバーの会話は、自然と「7年後の自分」が話題となったという。 キャプテンのMF長谷部誠(ニュルンベルク)が、苦笑いしながらその一端を明かしてくれた。 「みんな『オーバーエイジを狙って』みたいなことを言っていましたね。(東京五輪の時は)何歳だって。僕ですか? 7年後は36歳だし先のことは考えられないので、その話にはちょっと乗れませんでしたけど(笑)」 開催国ということで、サッカーはアジア予選を免除されて出場できる。五輪開催時で23歳以下という出場資格が変更されなければ、2020年の東京五輪における男子サッカーの条件は「1997年1月1日以降」に生まれた選手となる。今現在のU‐16日本代表に当たる世代だ。 さらに、本大会では3人までが年齢制限のないオーバーエイジとして参加できる。堂々と名乗りを挙げたのはDF長友佑都(インテル)だ。 1986年9月生まれの26歳。東京五輪開催時は33歳、もしくは34歳となる。2008年の北京五輪に出場し、3戦全敗を喫した苦い経験を振り返りながら、長友は目を輝かせる。 「あの頃は僕も国内のJリーグでプレーしていたので、世界を知る上でワクワクしていた。逆に北京五輪で世界を知って、世界へ行って活躍するという新たな目標もできた。もし可能性があって、出られることがあれば、あの時とは違った気持ちで出られるかなと。今は世界でプレーさせてもらって、世界のレベルというのは分かっているつもりなので、若い選手にそういう経験を伝えられる立場でいれたらと、自分の中で想像だけは勝手に膨らんでいます(笑)」 昨夏のロンドン五輪に出場し、44年ぶりとなるベスト4進出を果たしたメンバーであるMF清武弘嗣(ニュルンベルク)、オーバーエイジとして参加したDF吉田麻也(サウサンプトン)は、異口同音の言葉を残しながら前向きな姿勢を見せた。 「(五輪では)やり残したことがあるので」 ロンドン五輪では準決勝でメキシコ代表に逆転負けを喫し、3位決定戦では宿敵・韓国代表のロングボール攻撃の前に防戦一方の戦いを強いられた挙げ句、完敗を喫した。 守備陣の中心を担った吉田は、準決勝以降の戦いをこう振り返る。 「正直、プレッシャーは本当にきつかった。五輪はメダルを義務づけられるので」 自国開催となれば、プレッシャーはさらに大きくなる。しかし、五輪の悔しさは五輪の舞台でしか晴らせない、という思いがロンドン五輪組には今も強く残っているのだろう。