ザックJ、東京五輪にOA枠出場を狙う選手は?
柿谷は東京五輪に無関心
年齢という現実的な問題に目を向ければ、1990年生まれ以降、つまり東京五輪開催時で30歳以下の選手は、オーバーエイジでの代表入りを現実問題として受け止められるのではないか。 今現在のザックジャパンのメンバーならば、DF酒井高徳(シュツットガルト)、MF山口螢、FW柿谷曜一朗(ともにセレッソ大阪)、FW齋藤学(横浜F・マリノス)、FW工藤壮人(柏レイソル)、FW大迫勇也(鹿島アントラーズ)といったところとなる。 しかし、ザックジャパンでワントップの座を射止めつつある柿谷は無関心を貫いている。 「7年後の話しなんて、今まで一度もしたことがないっすよ。いろいろな競技を見にいけて、楽しいかなって思うくらいですね」 1990年1月生まれの柿谷はロンドン五輪の出場資格を有していたが、セレッソでブレークを果たしたのは昨夏以降。練習への遅刻を繰り返したことで、2011年シーズンまではJ2徳島ヴォルティスでの武者修行を命じられたこともあって、ロンドン五輪代表を率いた関塚隆監督(現ジュビロ磐田監督)の構想に最後まで入ってこなかった。 「とりあえず僕は明後日のガーナ戦のことだけを考えているので。W杯や五輪のことを言われても、何ですかって感じですね」 待望のA代表入りを果たしたばかりの柿谷にとっては、ザックジャパンに定着することしかは考えられない、ということなのだろう。 長谷部は2004年のアテネ五輪で、代表入りを逃している。 「五輪に出た選手は、そこで得た悔しさをバネにして成長してきている選手もいる。サッカーに限らず、五輪が与えてくれる影響というのは本当に選手にとって大きいと思うので、若い選手たちにとっては喜ばしいこと。経済効果のこととかもいろいろ言われていますけど、それよりも、僕はスポーツ選手の一人として、作りものではない、ノンフィクションの感動を東京で届けられるという意味で、日本人にとってもすごく大きなことだと思っている」 もちろん、7年も先の未来における自分がどうなっているかは誰にも分からない。言えることはただひとつ。今現在よりも心技体でひと回りもふた回りも成長して、誰からも必要とされる選手になっていること。一生に一度あるかないかの自国開催の五輪決定は、己を磨くモチベーションをさらにあげる最高のビッグニュースとなったはずだ。 (文責・藤江直人/論スポ)