水道水は、100円で500㎖のボトル約千本分! 味も劇的に改善…ミネラルウォーター買う意味ある?
「そもそも論として、川の水がきれいになった。元の水が良くないと、水道水をきれいにしにくい。各水道局もアンケートなどによる住民の声で、おいしい水への取り組みをしている」 こう話すのは、日本水道協会水質課の担当者。自然環境を改善する地域住民の取り組みが、水道水として取水する川の水をきれいにしているという。水道水にする際には浄化コストの問題があり、元の水が良いと浄化しやすい。 さらに、水道水にするためには消毒用の塩素を入れる必要があるが、各水道局では住民アンケートなどを踏まえ、塩素の濃度を必要最小限に抑えるようにしている。水道水のカルキ臭についても、できるだけ取り除く取り組みを進めている。 ◆これまで取り除けなかった微量のトリハロメタンやにおい、有機物をほぼ除去できるように 水道協会の担当者は「においに人は鋭敏ですが、機械で測定してもゼロとしか検出されないなど、分析に限界があります」とも話す。各水道局が水道水のにおいや味を改善するため、高度浄化処理を導入するところも出てきている。これにより、これまでの凝縮沈殿とろ過だけでなく、オゾンの酸化力や活性炭の吸着機能で、これまで取り除けなかった微量のトリハロメタンやにおい、有機物をほぼ除去できるようになった。 「カルキ臭などが水道水をおいしくなくしています。そこで高度浄水処理を導入して、微生物などを分解しています。この処理の有無で、においや味が変わってきます」 こう話すのは東京都水道局サービス推進課の担当者。東京都では荒川と利根川水系の浄水場ではすべて、高度浄水処理を導入しているという。一方、多摩地区は多摩川源流の水質が良好であるため、導入していないとも。 東京都では、おいしい水道水に処理するだけでなく、水源を良好な状態に維持することにも職員が取り組んでいる。前出の担当者は「奥多摩や山梨県甲州市の都所有地などを都の職員がきれいに整えています」と話す。倒木の処理や間伐などで、水源となる山林を整えているという。 前出の水道協会担当者は「地下水を使っているところは水道水のレベルが高い」と話す。山梨県の河口湖周辺など地下水を利用する地域は、国内でも水道水の味がいいといわれている。地下水は土壌で長い年月をかけて浄化されるほか、「さらにミネラルも入っている」とも。 この水道協会の担当者は、水道水のおいしい飲み方として、①冷やして飲む、②ほんの少しレモンを絞る、③煮沸して冷まして飲む、のもお勧めという。冷やすと感覚的に、においは小さくなる。また、レモン汁は塩素と化学反応を起こし、においを取り除いてくれる。ただし、レモン汁が多すぎると、レモンの味になってしまうので、あくまで塩素をなくすため、ほんの少しでいいという。 水道水もそのまま、おいしく飲めるレベルのものが出てきているようだ。さらに、冷やすなどひと工夫して試してみてはいかがか。 取材・文:浅井秀樹
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