テーマは「超越」 日大藤沢が2-0で横浜創英を下し2年ぶりV
令和6年度関東高校サッカー大会神奈川予選決勝が6日、保土ヶ谷公園サッカー場で行われ日大藤沢が横浜創英が2-0で勝利を収め優勝を果たした。 【フォトギャラリー】日大藤沢 vs 横浜創英 試合の均衡が破れたのは前半11分。日大藤沢、フリーキックのチャンス。キッカーMF6北浦悠月(3年)の放ったボールをFW9伊東大輝(3年)が頭で合わせ、ネットを揺らし、首尾よく先制した。勢いに乗る日大藤沢は準決勝・東海大相模戦で活躍したキャプテンMF7宮澤朋哉(3年)を起点に攻撃が展開。豊富な運動量を担保とした機動性で相手を崩しにかかった。 守備では横浜創英の2トップFW11川上哲平(3年)、FW20福田裕翔(3年)の前線からのプレスにうまく対応。攻守なスムーズな切り替えで相手に自由を与えなかった。 後半に入り、立ち上がりこそ一進一退の展開だったが、10分過ぎから横浜創英が攻勢を強める。13分、後半開始から出場したFW9古垣太樹(3年)がゴール前、鋭いシュートを放てば、16分、MF10小川秀太(3年)が、また20分には右サイドからの突破から最後はMF8尾毛駿介(3年)が強烈なミドルシュートを放つなど、押し込んでいく。 迫る横浜創英。あと一息で同点に追いつくところまでいったが、そう簡単ではなかった。後半31分、日大藤沢のコーナーキックの際、横浜創英の選手がペナルティエリア内でファールを犯し、PKの判定となった。キッカーMF7宮澤が冷静に右に蹴りこみ、日大藤沢が追加点。後半ここまで、ほとんどチャンスがなかった日大藤沢に貴重な得点となった。 一矢報いたい横浜創英は終了間際の40分、セットプレーの折り返しをゴール中央、FW11川上が決定機を作ったが枠外とわずかに及ばず、そのまま試合終了。日大藤沢が2-0で横浜創英を退けた。 準決勝、決勝と2日連続での試合に伴うコンディション。そして関東大会出場を決めたことでのモチベーショを踏まえると難しい決勝戦だったかもしれない。 日大藤沢 佐藤勝輝監督は「昨年、この大会は準優勝で終わりました。素晴らしい活躍をした昨年の選手たちを超えたい、その思いをこめて「超越」というテーマをことしは掲げています。そのテーマに対するモチベーションをもって臨めました」と見事、目標達成となったものの、コンディションについては「出足と頭の回転については準決勝に比べ、物足りなさがありました。前半のうちに1点、取りましたが、自分たちらしい崩しが少し出せませんでした」と厳しいものがあったようだ。 ただ、全国での戦いを見据える日大藤沢にとっては乗り越えなければならないハードル。「後半、PKで1点取れましたが、ほかにも決めきれるチャンスはありました。(苦しい展開・状況でも)いかにパフォーマンスをあげて、相手を圧倒するにはどうすればいいのか、自分たちにベクトルをむけて改善したい」と今後に向けた課題を語った。 一方、横浜創英の宮澤崇史監督。2-0の結果ながら内容はスコアほど悪くはなかった。それだけに悔やまれるゲームとなった。「前半は堅くなってしまいましたが後半は7割がた、ボールを持てていました。前半から後半のようなサッカーがしたかったです。また失点はセットプレーとPKでした。でも、こうしたところで勝負は決まります。今日の試合でサッカーの際(きわ)の大切さを改めて感じました」と反省はありながらも実りのある試合となった。 なお神奈川県代表の日大藤沢、横浜創英は今月25日、千葉県内で開催される関東大会に出場する。両校の健闘を祈りたい (文・写真=佐藤亮太)