「オオカミの家」監督デュオの長編第2作「ハイパーボリア人」予告編、場面写真、メイキング写真公開
昨年の「オオカミの家」の大ヒットで話題を集めた、チリの鬼才アーティスト・デュオ、クリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャの長編第2作「ハイパーボリア人」の予告編、同時上映の短編「名前のノート」も併せた場面写真、メイキング写真が公開された。 【フォトギャラリー】「ハイパーボリア人」、短編「名前のノート」場面写真 ギリシア神話やH.P.ラヴクラフトらの創作による「クトゥルフ神話」に登場する架空の民族“ハイパーボリア人”をタイトルに据え、実写、影絵、アニメ、人形、16㎜フィルム、ビデオ、デジタル……と最初から最後まで何が飛び出すかわからない“闇鍋”映画だ。チリの女優で臨床心理学者であるアントーニア・ギーセンが主人公。自分の患者が悩まされている謎の幻聴を元に、レオン&コシーニャ監督と映画を撮ることに。だが、その幻聴は、実在したチリの文化人でありヒトラーの信奉者ミゲル・セラーノの言葉だった……という物語。 実在した親ナチ文化人ミゲル・セラーノや政治家ハイメ・グスマンが登場し、チリの現代史やナチス・ドイツをモチーフにする一方、主演俳優のアントーニア・ギーセンや、監督のレオン&コシーニャが実名で登場することで、現実と虚構、過去と現在の境界を巧妙に見失わせる。 監督の一人ホアキン・コシーニャは、主演俳優や自身が実名で出演したことについて、「コロナ禍の最中につくったオンライン演劇に、アントーニア・ギーセンと共に監督である我々も実名で出演した。自分たちが話している映像に謎のウイルスが入り込んできて、映像が歪んだり、会話が予期せぬ方向に流れていったりするもので、それが面白かったので、本作でもその構造を活かし、また彼女に自身として出てもらうことが良いのではないかと考えた」と語っている。 また本作に登場する数々の人形や、物語の核心に関わる大きな頭は、監督であるレオン&コシーニャが撮影の数週間前から開いていたワークショップで参加者と共に作られたもの。この成果物について監督は「綿密にスケジュールを組んで用意周到に臨んだわけではなく、まずルールや仕組みを私たちがつくり、参加した様々な人たちと私たちとの共同作業の中から生まれていった作品」と語る。 予告編は、冒頭「オオカミの家」の映像から、荘厳な鐘の音とともに「ハイパーボリア人」の映像に切り替わってスタート。主演のアントーニア・ギーセンが映画のあらましを話していると、画面にノイズがかかり、“闇鍋”の“具材”が明らかになっていく。後半では「その昔 地球はハイパーボリア人が支配していた」や「この洞窟にヒトラーがいる」などと不穏なセリフが、不気味な人形やアニメーションとともに聞こえ、この映画の世界観を表す「この人たち どうかしてる」という言葉で締めくくられる。 2月8日から、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。オリジナルステッカー付前売り券が1600円(税込)で、シアター・イメージフォーラム、メイジャー・ネット通販にて発売中。