AIが「最適」な生産計画立案、4時間の工程が10~15分に短縮も…福岡市のスカイディスクが開発
製造業の工場が取引先から受ける様々な注文を人工知能(AI)が瞬時に処理し、最も効率的な生産計画を自動的に立案する。「最適ワークス」と名付けられたシステムを提供し、企業規模の大小を問わず幅広いメーカーの生産効率化を支えているのが、スカイディスク(福岡市)だ。 【動画】TSMC熊本工場で開所式
2013年の設立当初は、あらゆるモノをインターネットにつなぐ「IoT」技術の普及を踏まえ、農業や福祉、物流などの業界向けにデータ処理を行うIoT装置の開発を手がけていた。AI活用の流れが広がると製造業からの引き合いが増加したことから、生産の効率化を実現できるシステムを開発すれば需要を取り込めると判断。「最適ワークス」を22年に開発した。
工場内の設備の機能や生産する製品の情報などを事前に設定し、受注に応じてAIが効率の良い設備の稼働計画や必要な人員をはじき出す仕組みで、短期間でのシステム導入を可能にしたほか、デジタル技術の専門知識がなくても操作できるようにした。半導体部品や自動車部品など製造業の多様な業種に対応でき、4時間かかっていた作業工程が10~15分に短縮された工場もあるという。
納入先は国内大手ロボットメーカーから中小企業まで2年で130社を超える。海外の市場開拓も視野に入れており、内村安里社長は「日系企業の現地法人が多い東南アジアでまずは需要を取り込みたい」と意気込んでいる。