大学生が選ぶ就職企業人気ランキング、「ニトリ」が文系1位になったのはナゼなのか?
■入社後にどういうキャリアを歩めるかを重視 ――100位まで見てみると、どんな傾向が見えますか? 文系も理系も100位までのなかに「グループ」「ホールディングス」がついているところがいくつもあります。これは前述したように、「やりたい仕事ができそう」で選んでいるからでしょう。ゼネラリスト、スペシャリストという言い方もありますが、そうした志向で選んでいるというより、入社後にどういったキャリアが歩めるのかをより重視しているといえます。 ――イマドキの学生の就活はどんな感じですか。昔と変わったと思われることはありますか? 今の学生は就活が始まる前の時点で、8割ぐらいが何かしらインターンシップに参加していますし、大学でも将来について考えるキャリア教育を実施しています。 そうしたものを通じて、就職活動が一気に始まる3月以前の段階で企業研究をしたり、自分という人間がどういった職種に適性をもっているのかを自己分析したりしています。キャリア観をある程度確立させて就職活動にのぞむ学生が増えていますから、自分が思い描いたキャリアをどう実現できるのかという観点で企業を選んでいる。そこが、かつてとは違ってきていると感じます。 (聞き手/八木沢由香) 〇マイナビ就職企業人気ランキング 1978年から毎年調査を実施。文系ランキング(総合・男子・女子)と理系ランキング(総合・男子・女子)の各上位100社を発表している。その他「エリア別」「業種別」ランキングなどもあり。2017年度から、この調査を株式会社マイナビと株式会社日本経済新聞社の両社共同で実施している。2025年ランキングは約4万人が回答。 〇長谷川洋介(はせがわ・ようすけ)/マイナビキャリアリサーチラボ 研究員。2017年に株式会社マイナビに入社。「マイナビ転職」の求人情報や採用支援ツールの制作に携わった後、21年4月から現職。研究員として、主に就職活動中の学生を対象にした調査を担当し、就職活動の進捗や実態、心境といった就活に臨む学生の現状把握に取り組んでいる
八木沢由香