『光る君へ』敦康親王(片岡千之助)の暴走に視聴者最注目 第41話画面注視データを分析
■「危ない関係にニヤニヤ」 このシーンは、「わがままお嬢様」妍子の奔放なふるまいに視聴者の注目が集まったと考えられる。 妍子にとって父子ほど年の離れた三条天皇の女御というポジションは、いろいろな意味で非常に窮屈で退屈なものなのだろう。そこで比較的近くにいる同い年の敦明親王にちょっかいをかけて気を紛らわせることを思いついたようだ。自ら御簾から出て敦明親王の背後に忍び寄る妍子と、敦康親王に御簾の中に入り込まれ驚く彰子は、姉妹でありながら正反対の性格だ。 SNSには「妍子と敦明親王の危ない関係にニヤニヤしちゃう」「妍子さま、最高(笑)」「妍子さまの『好き』がめっちゃかわいいけど、修羅場になってるの面白い」といった、フリーダムな妍子の振る舞いに引き付けられた視聴者の投稿が集まった。 また、「妍子さまのキャラ、和泉式部さんに近くてスキ」「和泉式部が妍子に女房として仕えたら相性よさそう」といった、妍子とあかね(泉里香)のコラボを期待する声が上がっている。たしかにこの2人がつるむと面白そうだ。 作中では純朴で奥手な青年として描かれている敦明親王だが、史実では短慮な性格で数々の暴力事件を起こしていたようで、実資の記した『小右記』でもそのおこないがたびたび非難されている。しかし、内裏が火事になった際には、母・すけ子を抱きかかえて走って逃げたり、慌てて避難したため烏帽子の無くなった三条天皇に自らの烏帽子を譲ったりしている。非常に男前なエピソードだ。 また、敦明親王の母・藤原すけ子は優れた美貌の持ち主で、かつてはあの花山天皇(本郷奏多)からアプローチをされていたようだ。しかし彼女の父である藤原済時が強く拒否したと伝わっている。夫の三条天皇とは非常に仲睦まじく、四男二女をもうけている。しかし、この時点ではすでに父・済時は亡くなっており、すけ子には後ろ盾がなく宮中での立場は微妙なものだった。そのため、妍子に対して卑屈ともとれる対応をしたのだろう。道長の権勢の強さがよく分かる。三条天皇のファミリーたちが、今後の展開にどのような影響を及ぼすのか要注目だ。