『光る君へ』敦康親王(片岡千之助)の暴走に視聴者最注目 第41話画面注視データを分析
■「寂しかったんだね」「狂愛じみている」と賛否 注目された理由は、敦康親王の危うい行動に視聴者がハラハラしながら画面を注視したと考えられる。 道長の意向で彰子藤壺から遠ざけられた敦康親王だが、中宮・藤原彰子への想いは募るばかり。まひろや行成がそばに控えているにもかかわらず、自分と彰子を隔てている御簾を越えてしまった。そして、彰子もそんな敦康親王を受け入れた。 この敦康親王の行動にSNSには、「敦康親王、久しぶりに彰子さまに会えると思ったのに、顔が見えなくて寂しかったんだね」「大胆な敦康親王の行動に胸がキュンとなった」「まだ12歳なんだから許してあげてよ」といった、同情的な投稿が多くアップされている。一方で「敦康親王の彰子さまへの愛がやばい。微笑みが無邪気ともとれるし、狂愛じみているともとれる」「御簾を越えてしまったのはやばい」といった、敦康親王をいさめるコメントもあった。敦康親王の道長に警戒される言動によって、まひろや行成など周囲に大きな波紋が広がりつつある。今後の展開が気になるところだ。 御簾は竹や草で編まれたすだれの一種。一般的なすだれと比べて、上質な材質が使われ、編み方も緻密に作られ豪華な見た目になっている。主に貴族の住居や内裏で使用された。部屋を仕切ったり、プライバシーを保つためだけでなく、室内の温度調整にも役立った。また、神聖な場所を区切ったり儀式にも使われていた。外界との境界線を引くことで、内側を清浄に保つ意味もあったのだ。それゆえに御簾を越えるという敦康親王の行動に道長は強い懸念を抱いたのだろう。
妍子、義理の息子にせまる「好き」
2番目に注目されたのは19時47~48分で、注目度77.7%。藤原妍子(倉沢杏菜)が義理の息子にせまるシーンだ。 藤壺へ入った三条天皇(木村達成)の女御・藤原妍子は、義理の息子・敦明親王(濱田碧生)を相手に他愛もない話で退屈をしのいでいる。妍子に求められ、敦明親王は熱心に趣味である狩りの話を披露しているが、当の妍子は実は狩りになど全く興味はない。「狩りは、こちらの動きを獣に悟られてはしくじります。風下から音を立てずに近寄って…一気にしとめる! 極意はこれにつきます」話すうちに興の乗ってきた敦明親王は、大きな身振りでうさぎを捕まえる仕草をする。 「好き」御簾の向こうにいたはずの妍子は、いつの間にか敦明親王の後ろに回り込み、敦明親王の耳元でささやいた。「あ…おやめくださいませ」敦明親王は驚いて体をのけぞらせるが、「だって敦明様も延子様より私の方がお好きだもの」と、妍子は自信たっぷりに敦明親王にせまった。同い年であり、道長の娘たちの中でももっとも美しいと評判の妍子にせまられると、敦明親王も悪い気はしない。 「そこまで!」突然、2人の間に怒号が響いた。声の主は敦明親王の母・藤原すけ(※女へんに成)子(朝倉あき)だった。「何しに来られたの? 邪魔なさらないで」興をそがれた妍子は露骨に顔をゆがめた。敦明親王はバツが悪そうだ。「申し訳ございませぬ。我が息子が無礼を働きましてお許しくださいませ」すけ子が妍子に頭を下げた。「母上…私は何もしておりませぬ」「黙りなさい。事もあろうに御父上の、帝の女御様になんということを」「母上は、私をお疑いになるのですか?」「どうぞお許しください」すけ子は息子の弁解には耳を貸さず、ひたすらに妍子に謝罪した。 「もういいです」完全に覚めてしまった妍子は御簾の奥に消えていくと、「どうかこのことは帝には、仰せにはなりませぬよう、伏してお願い申し上げます」と、すけ子はその背に懇願した。「母上!」敦明親王は母のへりくだった姿勢に納得がいかない。妍子は御簾の向こうで髪をもてあそんでいた。