生後5ヶ月…おもちゃを至近距離で見るわが子に『違和感』 母親「もう苦しめないであげて」数々の難病を抱えるわが子に抱く強い思いに迫る
娘の存在が誰かのために少しでも役立つなら嬉しい
ゆりちゃんの瞳孔が1本線だと気づいたとき、かなさんはとにかく検索を繰り返しました。 「どんな情報でも知りたい」という思いが強く、検索魔となっていた経験から「同じような症状で、答えが出ないまま検索魔になっている親子さんにヒットして、何か少しでも役に立つ情報を提供できたらいいな…」と、SNSでゆりちゃんの難病について発信を始めたといいます。 また発信することで「うちの子もそうですよ!こんな風ですよ!と新しい情報が入ってくるかもしれない」という思いもありました。 「娘の存在が誰かのために少しでも役立つなら母は嬉しい」とかなさんは投稿の中で話しています。こうしたゆりちゃんの発信に対して、多くのコメントが寄せられていました。 「たくさんの方からコメントをいただき、本当に嬉しくてとても感謝しています。『かわいい・かっこいい・素敵』などポジティブな言葉をたくさんいただいているので、ゆりちゃんが成長し言葉がわかるようになったら必ず皆さんのコメントに触れてほしいです。ゆりちゃんの目には人を惹きつける魅力があるんだよと、形にして証明してあげることができるので本当に発信してよかったなと思っています。また、発信をきっかけに、同じ病気の方とも繋がることもでき、SNSのすごさを身にしみて感じています」とかなさん。 かなさんの投稿は、とにかく前向きで、二度とない幼いころの細かい様子をしっかりと伝えているのが印象的です。そこには「とにもかくにも、愛おしい、かわいいだけだからです。そこに一点の曇りもありません」とお子さまたちを思う気持ちが溢れていました。 2024年の10月に1歳になるゆりちゃん。視力については「私が見ている限りでは、ぼんやりシルエットはわかっていると思います。光にはとてもよく反応していて、テレビの電源の小さな赤い光や、光るおもちゃ、スマホ…など光るものや、発色がいいもの、ボーダーなどの柄には至近距離でよく近づいていくので見やすいのだと…」と、現在も至近距離でものを確認することがあるようです。 また、ゆりちゃんの今後の視力に関しては「症例も少ないうえに個人差がかなりある病気なので、担当医に7歳頃までは何とも言えない」といわれているそう。 病名は、アクセンフェルト・リーガー症候群 (4番染色体一部欠損・PITX2遺伝子欠損)といい、同じアクセンフェルト・リーガー症候群でも、他番号の染色体異常、遺伝子異常の場合もあるといいます。 またゆりちゃんは現在、視覚障害以外に鎖肛、尿膜管遺残症、てんかん、膀胱破裂、口蓋裂、苺状血管腫が治療・経過観察中です。 「とくに困難なことなどはなく、投薬や浣腸くらいなので、特別なサポートもなく過ごせています」とかなさんは話してくれました。 ※口蓋裂…口の中の天井(口蓋)と喉の奥(口蓋垂)の部分に裂け目がある先天異常 ※苺状血管腫…皮膚の表面や内部にできる「赤あざ」の一種で、未熟な毛細血管が増殖してあらわれる良性の腫瘍