「有名私大で倍率1倍台」総合・推薦入試の穴場は? 情報戦を制して、一般入試より有利な条件を狙う
敬遠されがちな探究活動の発表経験が必要なのですが、これもそれほど恐れる必要はありません。なぜなら、学校内の発表でも大丈夫だからです。学校の授業で、探究型学習の時間があるはずです。その際にみなさんも探究活動をして、授業の中でしっかり発表までやれば大丈夫です。そう考えれば、こちらも多くの人にチャンスがある入試だと思います。 ■上智・東京理科大の低倍率推薦入試 続いて上智大学と東京理科大学も見てみましょう。2つの大学の低倍率推薦入試を掲載しましたので、その表をご覧ください。2つの大学はいずれも総合型を実施していません。ただし公募型を実施しており、こちらに倍率1倍台前半の低倍率入試がありました。
上智大学の公募型はどの学部も、評定平均と英検が出願条件です。だいたい評定平均が4.0で、英検が2級か準1級のどちらかです。科目や英検のレベルは、学部や学科で変わります。 また、上智大学はたいてい事前課題が課されます。内容はレポートや課題図書の作文で、字数もおおむね2000字~4000字程度です。確かに評定と英検、さらに事前準備と少し大変ですが、上智大学という難関大学に倍率1倍台前半で挑戦できる可能性があるのであれば、非常にお得な入試といえます。
東京理科大学は、とにかく評定平均4.0を目指しましょう。選考内容は、書類選考・小論文・口頭試問・面接と、推薦入試の詰め合わせです。しかし、いずれもオーソドックスな内容です。学校の先生や塾の力を借りて実践的な対策ができればすばらしいですね。東京理科大も難関大学ですから、多少評定の条件が厳しいものの、チャレンジする価値は高いといえるでしょう。 ■早慶にも倍率1倍台の学科がある? 早稲田には低倍率入試はほとんどありませんが、唯一、早稲田大学の人間科学部だけが1.4倍と、低い倍率になっていました。これは、出願条件の厳しさによるものです。表の通り、文系・理系両方をバランスよく学習していた人でないと出願が難しいのです。
次に、慶應義塾大学の推薦入試ですが、こちらもかなり高倍率です。それでも、いくつか倍率2倍台とややゆるやかな試験もありました。 これらに共通していることは、評定平均の条件があることです。難関大学で倍率が低いところは、それなりに出願の条件が厳しいことが多いです。英検や評定平均など自分の武器をうまく使いながら、低倍率の入試をねらっていくことが、非常に大切です。 以上のように、有名大学であっても狙い目の学科はあります。ぜひ幅広い情報を集めて、大学受験を有利に進めてください。
小林 尚 :個別指導塾CASTDICE塾長/橋本 尚記 :推薦入試専門推進塾塾長