「有名私大で倍率1倍台」総合・推薦入試の穴場は? 情報戦を制して、一般入試より有利な条件を狙う
しかし、この大学群でも倍率が極めて低い学部がいくつか存在します。 まずは日本大学から見ていきましょう。次の表に日本大学の推薦入試について、学部・学科・主な出願条件を記載しました。 見てみると、出願条件「特になし」の学部があります。条件がある学部でも、理系の科目を習っていれば大丈夫だったり、高くない評定平均が条件だったりと、いずれも多くの人がクリアできるものになっています。 本来なら「有名大学だけど出願条件がゆるい」ということで高倍率の入試になってしまいそうですが、実際は異なります。
なんとこれら、すべて倍率が1.0倍でした。1.0倍というのは、合格者と志願者が同じ数、つまり志願者全員が合格した入試です。 日本大学のほかにも、同じように志願者全員が合格した入試が実施されています。次の表に、他の大学についてもいくつかピックアップしておきました。いずれも倍率が1.0倍で、出願条件がそれほど厳しくない学部を選んでいます。 これら全員合格入試をおこなっている学部の、一般入試の倍率を見てみましょう。たとえば、先ほど表にあった日本大学理工学部土木工学科。一般入試A方式では2.4倍となります。また同様に、理工学部機械工学科だと、一般入試A方式の倍率は3.6倍にまで上がっています。
このように、一般入試では倍率2~3倍以上の学部が、推薦入試になると1.0倍になってしまうことがあるのです。 これらの低倍率入試にも、1つだけ注意点があります。それは、この入試のほとんどが専願だということです。たとえばこれらの大学の推薦入試を受けて、それをすべり止めとして確保しておきながら一般入試を受ける、そういうやり方はできません。 それでも、日東駒専であればぜひ入りたい、そんな受験生も少なくないと思います。そんな人には、とてもオススメできる入試といえるでしょう。
あらためて、推薦入試が情報戦である点をおわかりいただけたでしょうか。これらの入試が低倍率で実施されているのは、「情報を持たない受験生がこの事実を知らない(調べていない)」または「GMARCHなど、より偏差値の高い大学を目指すために、専願を受けない受験生がいる」からです。 高いレベルを目指すことはすばらしいですが、日東駒専を第一志望としながらも一般入試だけを見て勉強している受験生も多いはずです。厳しくいえば、そういった受験生は「情報戦に負けている」のです。