「ずっと、繰り返し、繰り返し、使える」経営の柱はふかふかの状態に戻す“打ち直し” 老舗の布団店が150年続く秘密はSDGS
布団というと量販店で購入するという方が多いかもしれませんが、今回、注目するのは、明治5年創業、宮崎市にある老舗のふとん店です。 150年も営業が続くその秘密を取材しました。 【写真を見る】「ずっと、繰り返し、繰り返し、使える」経営の柱はふかふかの状態に戻す“打ち直し” 老舗の布団店が150年続く秘密はSDGS ■1回寝てみてください、綿の布団に 宮崎市松山の大村ふとん。 主に綿の布団の加工・販売を手がける明治5年創業の老舗です。 (大村ふとん 曾我部千加社長) 「(綿布団は)夏はしっかり汗を吸うし、冬は一番熱伝導が早いので温かさもある、早く温かくなるし、理にかなってると思いますね。1回寝てみてください、綿の布団に」 こう話すのは、4年前に家業を継いだ大村ふとんの4代目、曾我部千加さんです。 大村ふとんは、明治5年、1872年に曾我部社長の曾祖父にあたる大村北蔵が大淀河畔で創業。 当時、近隣には遊郭街があり、その後は、1960年代から70年代にかけての新婚旅行ブームで旅館やホテルが建ち並び、そうした施設との付き合いで経営は拡大しました。 1969年生まれの曾我部社長も、昔は活気があったと話します。 (大村ふとん 曾我部千加社長) 「昔は今以上に職人さんが多かったですし、売り出しとかもしてました。年末の」 ところが、2000年代に入ると宿泊施設が相次いで閉業。 量販店で安いポリエステルの布団が販売されるようになると、県内の同業者は次々に店を畳みました。 ■綿は半永久的に使えるので 何十年と使われていたのが生まれ変わる それでは、なぜ、「大村ふとん」は、営業を続けることができているのでしょうか? 「大村ふとん」を長年利用している平田房子さん。 布団の中の綿を取り出してほぐし、ふかふかの状態に戻す「布団の打ち直し」のほか、こんな依頼もしているといいます。 (大村ふとんを長年利用 平田房子さん) 「うちが本家というのもあって、押し入れは全部布団だらけだったんですよ。そのうち、どんどんみんなが来なくなったりしてて、余ってたので、こちらに持ってきて、打ち直して座布団とか、昼寝用座布団を作ってもらったり」