ダンプ運転手「誘導が危険」 安和の土砂搬出、死傷事故前の講習会で指摘 辺野古新基地建設 沖縄
名護市の安和桟橋前で辺野古新基地建設に抗議する市民と警備員がダンプカーにひかれて死傷した事故前の4月、別の運転手が、警備員による誘導の危険性を指摘し、「事故が起きた場合はどこが責任を取るのか」と事業者側に訴えていたことが19日、分かった。その後、誘導方法は「沖縄防衛局の意向」と説明があり、改善がなされないまま、6月に死傷事故が起きたという。 【写真】「防衛局殿から…」ダンプ運転手たちに届いたLINE
運転手が誘導の危険性を指摘したのは、4月に安和鉱山内で開かれた運転手向けの安全講習会。このやりとりを聞いた複数の運転手が本紙に証言した。 安和桟橋前では元々、「抗議者が出入り口の片道で牛歩をしたら、ダンプカーが1台出入りする」という「暗黙のルール」があった。しかし、国が代執行で大浦湾側での埋め立てに踏み切った今年に入り、2台連続の強引な誘導が増えていた。 運転手は講習会で、事業者側に誘導の危険性を指摘。「民間警備会社の誘導で事故が起きた場合はどこが責任を取るのか。誰の指示で警備をしているのか」と問いただした。 その後、事業者側は運転手に、誘導方法は土砂搬出を効率よく進めたい防衛局の意向だと伝えたという。 こうした防衛局の意向は、鉱山の担当者が5月16日に運転手へLINEで送った業務連絡にも「防衛局殿から少しでも多く運搬したいので2台入場を指示されているそうです」と記されていた。
他のダンプカー運転手たちも強引な誘導の危険性を感じていたが、結局、改善がなされないまま、6月の死傷事故が起きた。 6月の事故では「危険」とされてきた2台出しをしようとして、ダンプカーが警備員の指示を受けて発進した後、2人をひいたと指摘されている。 防衛局は19日、本紙の取材に対し、「当局は事故につながるような指示は一切しておりません」と回答した。 (南彰、金城大樹)
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