森保ジャパン CB替わっても変わらぬ鉄壁 橋岡、板倉、町田の“急造3バック”で完封
◇W杯北中米大会アジア最終予選C組 日本4-0インドネシア(2024年11月15日 インドネシア・ジャカルタ) 森保監督は緊急事態を難なく乗り越えた。今回は最終予選で欠場が続く冨安、伊藤に加え、メンバー発表直後に左アキレス腱を断裂した谷口が不在。初組み合わせとなった橋岡、板倉、町田の急造3バックで臨んだ。序盤は連係不足を露呈し、速攻から何度もピンチを迎えたが、終わってみれば4発快勝。「本当にうれしいです!」と声を弾ませた。 前半9分には敵陣で南野がボールを奪われ、ロングボールを受けた相手1トップのオラトマングンが板倉をかわして左足シュート。だがセリエAで成長を続けるGK鈴木が立ちはだかった。素早い飛び出しで相手のシュートコースを消し、右足で好セーブ。14年W杯同予選で川島永嗣が記録した史上2位の4完封に並び、指揮官も「チーム全体でカバーし、(鈴木)彩艶が最後に止めてくれた」と称えた。 アップデートを続けるチームの“輪”が快進撃を支える。遠藤を主将に任命した1~2月のアジア杯は8強敗退。ムードメーカーを欠いたことも敗因だった。3月から長友を招集。38歳のベテランは今回もベンチ外だったが、食事会場では毎回、違うテーブルに座り、自身の海外経験などを話し、チームにさらなる一体感をもたらした。 年齢差がある選手とコーチ陣に距離を感じると、9月には昨季限りで引退し、今季から古巣ドイツ1部EフランクフルトU―21コーチに就任した長谷部誠氏を入閣させる“ウルトラC”を発動。長谷部コーチは選手のリラックスルームに顔を出すなど、“架け橋”として大きな役割を果たしている。 これで最終予選は4勝1分け。「前半にピンチを耐えたことが勝利につながった」と指揮官。先発メンバーが替わっても変わらぬ戦力を見せつけた。絶妙のマネジメント力を発揮する指揮官が、チームを8大会連続W杯出場へまた一歩前進させた。