D2Cから卸売まで、 オムニチャネル はデータドリブンでよりパーソナライズされたものに
オンライン卸売マーケット、フェアー(Faire)やロンドンのコンセプトストアであるローンデザインクラブ(Lone Design Club)などの企業は、戦略的な意思決定を推進するためにデータを活用する傾向が高まっている。
データ分析で店舗の最適化を図るローンデザインクラブ
ローンデザインクラブは、データ分析を活用して、客足、店舗ごとの販売データ、地元の顧客層を分析することにより、店舗面積を最適化している。創業6年の同社は、英国を拠点とする数千のブランドに100のポップアップ用小売スペースを貸し出している。また、自社データインサイトに基づいて、店舗でのマーチャンダイジングも管理している。 ローンデザインクラブの創業者であるレベッカ・モルター氏は、2月27日にロンドンで行われたパネルディスカッションで、「我々はこれまで、当社のブランドに適した立地は明白で、顧客がどんな人かも理解していると思っていた」と語った。「ポップアップを何度も開催し、データを分析してわかったのは、(最適な場所は)キングスロードやメリルボーンのような人気の立地とは限らないということだった」。 モルター氏によると、店舗によってターゲットになる顧客層も異なるという。顧客データは、どこに店舗を出店すべきか、どの店舗を改装・閉店すべきか、また地域の好みに合わせた店舗レイアウトやブランドのあり方に活用されている。 「特定の顧客からの平均注文数を増やすことは、あらゆるところに進出しようとするよりも、ビジネスにとってはるかに価値がある」とモルター氏は言う。 ローンデザインクラブは、そのデータに基づいたインサイトをパートナーブランドやロンドン各地の貸主に提供している。
データで取り扱いブランドを支援するフェアー
米国、英国、欧州、オーストラリアで事業を展開し、8万5000以上のブランド顧客を抱えるフェアーの幹部によると、小売需要は時代とともに変化しており、関連データ分析はさらに細かくなっているという。 フェアーの国際事業責任者を務めるオリビエ・ブッフォン氏は、前述のパネルディスカッションで「北米を含むほかの地域と比べて、欧州では超ローカルブランドのニーズがはるかに高い」と話した。「欧州の小売業者にとって、買い物客のいる場所に密接したローカルブランドをより多く取り扱い、残りの10~20%を国際的なブランドが占めるというのは、非常に成功している」。 ブッフォン氏によると、フェアーはブランドデータとパーソナライゼーションに基づき、商品の返品、柔軟な支払い、パーソナライズされた商品に関する意思決定で小売業者をサポートできるようになったという。また同社は、過去の販売実績、顧客行動、より広範な市場傾向に基づいて市場の需要を予測するためにデータを活用している。