ガザで新生児毎日180人誕生 物資不足で命や健康危機
【エルサレム共同】イスラエル軍とイスラム組織ハマスとの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザでは国連児童基金(ユニセフ)の推計で、毎日約180人の新生児が誕生しているとみられている。物資不足が深刻化し、母子ともに健康や命へのリスクが高まっている。 歴史が生んだ「世紀の難問」…イスラエル、パレスチナの争いはなぜ始まった 共同通信記者が基礎から解説
ユニセフのテス・イングラム報道官は共同通信の取材に「多くの妊娠中の女性や出産後の母子が避難を強いられ学校などに身を寄せている」と指摘。「十分な水や食料、衛生用品がなく痛ましい状況だ」と強調した。 イングラム氏によると、戦闘が始まった10月7日時点で、ガザの妊婦は推定5万人。北部を中心に多くの病院が機能停止して産科に通えず、避難先や自宅だけでなく、路上で出産した女性もいるとの情報もある。 母乳で子育てをする女性は10万人程度とみられ、母子ともに栄養不足が懸念される。イングラム氏は「十分な栄養を摂取できなければ、感染症にかかりやすくなるほか、知能や身体の発達の遅れにつながる」と危機感をあらわにした。