「自然な表情を撮ってくれるよき相棒」 激売れ自撮りドローン「HOVERAir X1 Smart」開発秘話
「人生の瞬間を効率的に撮影するには、空を飛ばすのが一番」と目を付けたのがドローンでした。当初から「薄型&折りたたみ式」「ケージを設けてプロペラは露出させない」という形状で改良を進め、2016年に「Hover Camera Passport」として製品化。2023年に投入した最新モデル「HOVERAir X1」は欧米でヒットしました。
シリーズを通してこだわったのが、プロペラを囲う「ケージ」を必ず設けていること。「私たちの製品作りは何よりも安全性を重視しているので、ケージは必須の装備だと考えている。ケージを取り去れば容易に軽量化できるが、その手段は頭にない」と語ります。
海外でのHOVERAir X1のヒットにあぐらをかくことなく、派生モデルとして開発を進めたのが、日本市場向けのHOVERAir X1 Smartです。「日本はとても大切な市場なので、日本で誰もが手軽に使えるHOVERAirを作りたかった」と語るMengqiu Wang氏。ですが、ドローンに対して厳格な規制が設けられている日本では、機体の重量が100g以上になるとさまざまな手続きや制約が加わることから、100g未満に仕上げることが最優先の課題となりました。 HOVERAir X1をベースに、本体の小型化や折りたたみ機構の省略で軽量化を図りつつ、決定打となったのがケージに用いた素材。一見すると普通のプラスチックに見えますが、実は航空機でも使われている特殊な素材だそう。「カーボンファイバー(炭素繊維)より軽いのに耐久性や柔軟性に優れており、壁にぶつかったり落下しても壊れにくい」とメリットを語ります。ベースとなったHOVERAir X1はこの特殊素材を用いておらず、HOVERAir X1 Smartだけのぜいたくな装備だそうです。 今後、アプリの改良や新しい飛行モードの追加などの改良を実施していくそう。「私たちはユーザーからの『こういった機能が欲しい』という声に耳を傾けている。若い人にもぜひ体験してもらい、意見や感想を寄せてほしい」と語ります。新たな製品の開発も進めているそうで、「空を飛ぶモノとは限らない」とヒントをくれました。こちらも気になります。