中国、バーレーンとのW杯最終予選2連戦に、セルジオ越後「ノルマは勝ち点6。大量得点を奪って得失点差で優位に立ちたいね」
中国、バーレーンとの2連戦については、「絶対に負けられない戦い」というよりは、「勝てないはずのない戦い」が始まります、という感じだね。 いよいよ2026年北中米W杯のアジア最終予選がスタート。日本はオーストラリア、サウジアラビア、バーレーン、中国、インドネシアのいるC組に入った。上位2チームが本大会出場権を手にし、3、4位がプレーオフに回る。 そして、まず迎えるのは中国(ホーム)、バーレーン(アウェー)との2連戦。僕があらためて言うまでもなくスタートは大事。何しろ前回カタールW杯の最終予選では初戦のホームでのオマーン戦に負けたせいで、その後かなり苦労したからね。 ただ、よくW杯予選に簡単な試合はないと言うし、実際、その通りだとは思うけど、今回対戦する2チームとの力関係を考えれば、きっちり2連勝して勝ち点6が欲しい。いや、それがノルマ。 中国は一時期、国を挙げて強化に力を入れて勢いがあったものの、景気が悪くなった影響か、最近は代表チームも国内リーグもさっぱり。目立つ選手もいない。全然怖くない。 逆に中国の選手たちからすれば、日本は明らかに格上。自陣で守備ブロックを作って、何とか引き分けに持ち込めたらいい、負けても最少失点ならOK、というぐらいの感覚だろう。 この最終予選もストレート通過は現実的でなく、何とかプレーオフに進みたい、といった感じじゃないかな。日本とは目線が違う。だから、欲を言えば、大量得点を奪って、オーストラリアやサウジアラビアに対して得失点差で優位に立ちたいね。 バーレーンとは今年1月にアジア杯の決勝トーナメント1回戦で対戦し、3-1で勝っている。その内容を見ても、やはり力の差はあると思う。 日本はアジア杯でロングボールをどんどん蹴り込んでくるイラク(グループリーグ)とイラン(準々決勝)に敗れた。当然、バーレーンはその試合を分析しているし、同じことをやろうとしてくるかもしれないけど、イラク、イランとは前線の選手の質が違うので、それほど心配しなくていい。アジアのアウェー戦でありがちな、審判の微妙なジャッジとかがなければ大丈夫。 引いた相手の守備をどう崩すかという意味で、注目はやっぱり攻撃的なポジションの選手。今回は久保、南野、三笘ら所属クラブでいいシーズンのスタートを切った選手が多いので楽しみだ。皆、結果を出してチームの勝利に貢献しているからね。 特にアジア杯時に故障を抱えていて不完全燃焼だった三笘の復調は大きい。タテへの仕掛けは大きな武器になるし、彼がいることで南野をサイドではなく中央で使えるのもプラスだ。また、伊東の復帰も心強い。 あとは森保監督に、長く代表チームを率いていることの強みを見せてほしい。カタールW杯では過去の代表監督たちと同様にベスト16の壁を越えられなかった。また、チームは違うけど、東京五輪ではメダルを獲れなかった。今年のアジア杯も早々と準々決勝で敗退。 それでも監督を続けられているのは彼にとってチャンス。まず、この最終予選では強さを見せて、1位で本大会出場を決め、見ている人に「次のW杯こそベスト8にいけるぞ」と思わせるようなサッカーを披露してくれることを期待したいね。 構成/渡辺達也