容姿や年齢、政界で続く差別発言 麻生氏に批判、遅れ露呈
自民党の麻生太郎副総裁が上川陽子外相の容姿に言及し、「おばさん」と呼んだことに批判が高まっている。地方議会も含め、政治の場でルッキズム(外見至上主義)やエイジズム(年齢差別)に基づく不適切な発言が後を絶たない。「偏見に基づく差別発言だと自覚を」。識者は、日本のジェンダー平等の遅れを露呈していると指摘する。 「美しい方とは言わない」 麻生氏、上川外相の容姿に言及
「俺たちから見てても、ほう、このおばさんやるね、と」。麻生氏は28日、地元の福岡県内での講演で、上川氏をこう呼んだ。「そんなに美しい方とは言わんけれど」と前置きした上で、外交手腕を評価。「女性が日本の外務大臣になった例は過去ないと思う」とも述べたが、過去の女性外相には田中真紀子氏と川口順子氏もいる。 ジェンダー表現に詳しい田中東子東京大教授は「女性の美徳は外見や若さだという偏見による発言。男性政治家に向けてはそのような表現を使わないだろう」と話す。 男女格差を表す世界経済フォーラムの最新の「ジェンダー・ギャップ指数」で、日本は政治分野で146カ国中138位という低さだ。