熊本地震で被災した熊本城・平櫓の石垣復旧工事ほぼ完了…石には「一日も早い復旧を」願うメッセージ
熊本地震で被災した熊本城の国指定重要文化財・平櫓の石垣の復旧工事がほぼ完了し、子どもたちが「一日も早い復旧を」などと願うメッセージを書いた石が敷き詰められた石垣の様子が12日、報道陣に公開された。 【写真】来場者でにぎわう天守閣前広場
熊本城総合事務所によると、平櫓は天守閣の北側に位置する木造1階建ての建物で、防衛の機能を果たしていたとみられる。熊本地震で建物下の石垣(高さ約19メートル)が変形するなどしたため櫓を解体し、2月から約10か月かけて石垣の解体と復旧を行った。
公開された石垣は、表面の築石がきれいに積み直され、内側には石垣を安定させるため、栗石が敷き詰められていた。大きさは10~30センチほどで、メッセージはこのうち約520個の栗石にあり、3~8月のイベントなどの参加者が書いたという。
栗石は土砂をかけた上で櫓の復旧工事を行う予定で、2030年度の完成を目指す。同事務所復旧整備課の岩佐康弘課長は「復旧は少しずつではあるが着実に進んでいる。現状を多くの方に知っていただき、支援してもらいたい」と話した。