陸自パワハラ自殺訴訟 国に6700万円賠償命令の高裁判決が確定 福岡高裁
熊本放送
陸上自衛官の男性が自ら命を絶ったのは教官によるパワハラが原因だとして、男性の両親が国などに損害賠償を求めていた裁判で、福岡高等裁判所が国に約6700万円の賠償を命じた判決が確定しました。 【写真を見る】陸自パワハラ自殺訴訟 国に6700万円賠償命令の高裁判決が確定 福岡高裁 この裁判は2015年、陸上自衛隊西部方面隊で、当時22歳の男性自衛官が教官2人から「殺してやりたい」などの暴言を受け、胸ぐらをつかまれるなどのパワハラを受けた結果自殺したとして、両親が国と教官2人に約8100万円の損害賠償を求めていたものです。 1審の熊本地裁は、パワハラの一部を認め国に220万円の賠償を命じましたが、自殺の予見可能性は認めなかったため、遺族が判決を不服として控訴。 2審の福岡高裁は10月2日、「男性は強い心理的負荷を受けていて自殺を予見できた」として、国に約6700万円の支払いを命じました。 福岡高裁によりますときのう(10月16日)までに双方から上告がなかったため、きょう(17日)、控訴審判決が確定したということです。 ◆判決確定を受けて 【陸上自衛隊西部方面隊】「今後の対応については判決内容を慎重に検討し、関係機関と十分調整した上で適切に対応してまいります。引き続き一つ一つの取り組みを丁寧に、かつ継続して徹底することで、ハラスメントを一切許容しない組織環境を構築するよう努めて行きます」 【遺族の代理人弁護士】「自衛隊は今回上告を断念した以上、同じような裁判で争うのではなく、被害者を救済する判断を今後も行なってほしい」
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